ゴボウの栽培方法、害虫・病気対策!実写真でわかりやすく!

ゴボウの品種・種まき・土作り・土寄せ・肥料・収穫・害虫・病気対策などを実写真でわかりやすく解説!

基本情報

ゴボウは、野菜として食用で用いるのは日本だけで、原産地であるユーラシア大陸北部や中国などにおいては薬用として利用されている。
ゴボウはイヌリンやリグニンなどの食物繊維が野菜の中で最も多く、低カロリーのため、ヘルシー野菜として人気がある。
ゴボウには、クロロゲン酸やカリウム、カルシウム、鉄分なども含まれており栄養豊富でカロリーが低いこともメリット。

ゴボウには根が長い滝の川群と太くて短い大浦群があるが、現在のゴボウ品種は、滝の川を代表とする長根種とそれらの改良型の短根種が中心。

家庭菜園では収穫までの日数が短く、掘り取りが容易な短根種(または太短根種)の栽培が向いている。

科目 好pH 連作障害(年) 発芽光性 発芽適温(℃) 生育適温(℃) 発芽日数(日) 日照
キク科 5.5〜6.5 4〜5 好光性 20~25 20~25 7~14 陽性

栽培時期

地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)

  3月 4月 6月 8月 9月 10月 2月
春まき 種まき~ ~種まき       収穫~ ~収穫
秋まき     収穫~ ~収穫 種まき~ ~種まき  

コンパニオンプランツ

一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。

ニンジン

生育適温が同じでよく育つ。

根も両方とも直根でまっすぐ下に伸びるので競合しない。

ホウレンソウ

お互いの生育がよくなる。

ゴボウの根を食害する虫がほうれん草の根を好むため、ごぼうが二股になり難い。

ラッキョウ

お互いの生育がよくなる。

品種・種類

長根種

根の長さが70~100cm程で、土がやわらかい関東地方で多く栽培されている。
代表的な品種は滝野川ごぼう。
江戸初期から東京の滝野川地域で多く栽培されていたことが名前の由来。
歯切れと風味が良く、現在も多く栽培され、さらに多くの品種も分化している。

短根種

根の長さが30~50cm程で、土が硬めの西日本で栽培されていることが多い。
代表品種には、堀川ごぼう、大浦ごぼう、新ごぼうなど。

  • 堀川ごぼう・・・京都の伝統野菜の1つで、先端がタコの足のように枝分かれしていて、中心部に空洞があり、繊維が柔らかく中まで味が染み込みやすいのが特徴。
  • 大浦ごぼう・・・直径約10cmの非常に太いごぼう。これも中に空洞があり、詰め物をして食べるが、繊維質が少なく肉質は非常に柔らかい。
  • 新ごぼう・・・初夏に出回る早生品種。皮が薄く香り高いのでサラダや揚げ物、煮物で使用される他、柳川鍋にも欠かせない。

うちのゴボウ

2024年、ダイソーで買った「作りやすい短形ごぼう」

畑の準備・土づくり

ゴボウは根が地中深くまで伸びるので、できるだけ深く耕す。
(長根種は70〜90cm、短根種は30〜50cm)

種まきの2週間以上前に、苦土石灰をまき(3握り約150g/1㎡)、1週間前には完熟堆肥(約3kg)と化成肥料((N:P:K=8:8:8)2握り約100g/1㎡)を施し、再びよく耕す。
未熟堆肥や石ころ、かたい土塊などは岐根(また根)の原因となるので、完熟堆肥を用い、石ころやかたい土塊を取り除く。
その後、幅50~60cm、高さ10~30cmの畝を作る。耕土が浅い場合は高畝にする。

種まき

ごぼうは移植を嫌うため、基本的に種を直接まいて栽培する。
種まき前夜には、一晩だけ種を水につけておくことで発芽しやすくなる。
種まきは、直径5cm、深さ1cm程度の穴を掘り、種を4粒~5粒ずつ点蒔きする。
株間は長根種と太短根種が10~15cm、短根種が3~8cm。
ゴボウの種は発芽の時に光が必要な好光性種子なので、覆土はできるだけ薄くし、しっかりと鎮圧する。
作業後はたっぷりと水を与え、発芽するまでは水切れしないように毎日水をあげる。

中耕・土寄せ

発芽(種まき後10日~2週間)がそろったら1回目の中耕・土寄せをする。
播種後2カ月間は、初期生育がとても遅く雑草に負けやすいのでこまめな除草作業が必要。
土寄せは、成長点が埋まらない程度に軽く根首部に土を寄せる。

間引き

間引きは、本葉1枚時(春まき:種まき後30~40日)で2本立ちとし、本葉3~4枚時(50~60日)で1本立ちとする。
地上部と根は同じように伸びるため、葉が寝ている株は根も曲がっているので、葉がまっすぐに伸びている株を残す。
そして1回目?の追肥・中耕・土寄せをする。
その後、草丈が30cmになるまでに1~2回、追肥と中耕・土寄せを行う。
秋まきでの間引きは、翌春本葉2~3枚の頃に1本立ちにする。

追肥

追肥量は、化成肥料を軽く1握り(約30g)/1㎡。
ゴボウは比較的多肥が向いており、肥料不足になると、す入りが多くなる。

水やり

ごぼうは過湿に弱いため、土がつねに湿った状態になるのは避け、土の表面が乾いてから水やりする。

収穫

収穫時期は、長根種のごぼうは種まきから約150日、短根種の場合は約70日~80日で収穫。
春まき栽培で10月下旬頃から(秋まき栽培は6月下旬から)。
根の肥大を確かめて掘り取り始める。

収穫時期の前に、直径1cmくらいに肥大したら「若ゴボウ」として収穫できる。
やわらかくて香りが良いのが特徴。

春まき秋冬採りでは、12月頃から葉が枯れ始めますが、根は生きているので、冬の間収穫することができる。

但し、春になって萌芽してくると品質が低下するので、3月上旬には収穫し終える。

病気

ヤケ症(黒変障害)
根部が黒褐変するヤケ症(黒変障害)は、連作による病原菌やセンチュウが原因。
症状が皮黒(表面が黒変)・・・根腐病(ピシウム菌)、黒アザ症(リゾクトニア菌)、ネグサレセンチュウ。
症状が芯黒(内部が黒変)・・・萎凋病(フザリウム菌)。

よくある悩み

空洞ができる(スが入る)

主な理由は採り遅れ。
収穫が遅くなることで生育が進んで太くなり、内側にスが入ってしまうことがある。
タイミングを逃さないように収穫することが大切。

枝分かれ

ごぼうの根が枝分かれし、形が悪くなってしまう。
主な原因のひとつが、地中に残った石や土の塊。

種まき前にしっかりと耕して、石ころなどは取り除いておくことで予防。

また、地中にいるネコブセンチュウなどの害虫や、連作障害などが原因で枝分かれすることがある。

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