ハクサイの栽培方法、害虫・病気対策!実写真でわかりやすく!

ハクサイの品種・種まき・土作り・植えつけ・土寄せ・肥料・収穫・害虫対策を実写真でわかりやすく解説!

基本情報

ハクサイという名前は文字どおり全体が白いことからきており、中国北部原産のアブラナ科野菜で、冷涼な気候を好む。

ハクサイは水分が多く、味が淡泊でくせがないため、煮物や鍋物、炒め物、漬物などいろいろな料理に使える野菜。
また、ビタミンC、カルシウム、カロテンを含み、腸の働きを助ける植物繊維も多く、カロリーも低いので健康維持に。

科目 好pH 連作障害 発芽適温 生育適温 発芽日数 発芽光性 日照
アブラナ科 6.0〜6.5 2〜3 20~30℃ 20℃ 4~7 なし 陽性

コンパニオンプランツ

一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。

レタス、シュンギク

レタス、シュンギクはキク科の野菜で、独特な香りを放ち、アレロケミカルという他の動植物を寄せ付けない物質を放出している。

レタスが放つ香りをモンシロチョウやコナガは嫌うので、ハクサイのそばに植えておくと、害虫が寄り付かなくなる。

モンシロチョウやコナガは「赤い色」を嫌うため、効果的なものは赤いサニーレタス。

アブラナ科とレタスのコンパニオンプランツ栽培は、害虫忌避に効果がある。
キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、カブ、菜の花、ケールなど

エンバク

エンバクは、根でアベナシン(サポニン)という抗菌物質を合成して、土壌病原菌に感染しないようにしている。
このアベナシンによって根こぶ病菌などの土の中の病原菌の密度が減り、ハクサイが病気にかかりづらくなる。

なお根こぶ病は、ハクサイの生育初期に感染しなければ大きな問題でない。
温度が下がるにつれ、感染しにくくなり、秋のお彼岸を過ぎる頃、ほとんど発病しなくなる。

エンバクは、テントウムシなどの益虫のすみかになりやすく、ハクサイに付くアブラムシなどの被害を軽減できる。

ハクサイは苗を植え付けた初期が根こぶ病にかかりやすいため、エンバクの種を先にまき、病気予防に備えておく。
エンバクは通路にまいてもよいが、芽が出始めの頃に踏むと育たなくなってしまう。

エンバクの草丈が高くなってきたら、ハクサイの日当たりが悪くなり光合成のさまたげになるので、株元を10cmほど残して刈り込む。
刈り取ったエンバクは、ウネや通路に敷いてマルチの代わりに出来る。

ナスタチウム

ナスタチウムはエディブルフラワー(食用花)で、花や葉を食材として食べることが出来る。
ナスタチウムの香りでハクサイにアブラムシが寄り付かなくなる効果が高まる。

なおナウタチウム自体には、葉っぱや茎にハダニやスリップス(アザミウマ)がつくが、それを食べる益虫もやってきて、バンカープランツ(おとり作物)として役に立つ。

ナスタチウムはハクサイのほか、アブラナ科(キャベツ、ブロッコリー、チンゲンサイ、コマツナ、カブなど)、ナス科(トマト、ナス、ピーマン、シシトウなど)、キク科(レタスなど)のコンパニオンプランツに利用できる。

サルビア

モンシロチョウやコナガは 赤い色を嫌うので、ハクサイの近くにサルビアを植えておくと、近づかなくなる。
サルビアは開花時期が長い(5月~10月)花なので便利。

相性が悪い野菜

ネギ類~結球しなくなる

栽培時期

地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)

秋まきの時期が早過ぎると病害虫が発生しやすく、遅すぎると結球しないので、種まきの時期が大切。

  8 9 11 翌 2
育苗 種まき 植えつけ 収穫~ ~収穫
直播き   種まき 収穫~ ~収穫

彼岸の頃(9月20日頃)が植えつけ適期なので、連結ポットならその3週間前に種まき、セルトレイなら2週間前に種まきする。

品種

ハクサイには結球種、半結球種、不結球種がある。
なかでも球の先端で葉が重なり合う品種(包披形)が多く栽培されている。

結球種

もっともポピュラーな品種で、芯部分を包み込むように葉が何重にも重なっている。
結球型は、含まれる水分量が多いため、実が柔らかいのが魅力。
鍋やスープ、漬物など、どんな料理にも活躍しますよ。

半結球種

下の方はキュッとしまっているが、上部は開いた状態で生長するタイプ。
葉の厚みが少ないため、柔らかく食べやすいのが特徴。
長く漬け込んでも酸っぱくなりにくいことから、漬物用として使われることが多い。

不結球種

結球することなく、全体が開いた状態で生長する品種。
代表的な品種には「広島菜」や「山東菜」などがある。
葉の食感は硬めで、主に漬物や炒めものに使われる。

その他

ほかにも、重さが1kg前後でサイズが一回り小さい「ミニ白菜」や、葉の色が紫色になる「紫白菜」などがある。

早生、中生、晩生種

種まきから収穫までの日数から、早生、中生、晩生種がある。

早生種は、早い時期に結球態勢に入るので、元肥主力の施肥設計で初期から旺盛な生育を促す。
草勢の強い中生・中晩生種は多肥にすると、株が大きくなりすぎるので、元肥を抑え、追肥を数回に分けて行うことで肥効を持続し、じっくり肥大と玉じまりを進める。

家庭菜園では早く収穫できる早生種~中生種が作りやすい。
結球の内部まで黄色い黄芯系品種が育成され、漬物などにしても色がきれいで人気。

2023年はこのハクサイ

ダイソーで買った種「60日白菜(CRアルチャン)」¥55-

 

栽培のポイント

  • 秋まきの時期が早過ぎると病害虫が発生しやすく、遅すぎると結球しないので、種まきの時期が大切
  • 元肥を多めに入れ、こまめに追肥して外葉を十分に育てる
  • 連作障害が出やすいので、同じ場所での栽培間隔をあける
  • 結球温度は15~16℃と低いことから、家庭菜園では温度下降していく秋に種まきし、秋から冬にかけての低温期に収穫する
  • 土壌水分の過剰に弱いので有機物を施し土の水はけをよくする
  • 甘くてみずみずしいハクサイにするには、外葉を大きく育てる、タイミングの合った追肥が大事

種まき

種まきは、直まきとポット(7~9cm)まきいずれの場合も直径5cm、深さ1cmくらいの穴を作り、5~6粒をお互いに離してまき、覆土を5mm程度にして軽く覆土して、たっぷりと水を与える。

ポットまきは害虫や乾燥の影響を受けにくい利点がある。

3~4日で発芽。

間引きは、直まき、ポットまきともに子葉が開ききった頃に3~4本立ちに、本葉が2枚になった頃に2本立ちにします。

直まきの場合は、本葉6~7枚で1本立ちにし、ポットの場合は、本葉4〜5枚の2本立ちのまま定植する。

畑の準備

酸性土だと「根こぶ病」が発生しやすくなるので、土壌の酸度(pH)は6.0〜6.5に。

直まきまたは定植の2週間以上前までに、苦土石灰2~3握り(100~150g/1㎡)を全面に散布し深く耕します。
1週間前に堆肥は約3kg/1㎡、元肥の化成肥料(N:P:K=8:8:8)は3握り(150g/1㎡)を施しよく耕す。

根張りをよくするために完熟堆肥を十分に使用します。
有機質の多い畑で栽培したハクサイは甘みが多く、日もちもよくなります。

その後、種まきまでに、畝幅を1条で60㎝、2条で100cm(条間50㎝)の畝を作る。

植え付け

ポットまきでは本葉4~5枚になったら2本立ちのまま定植。
その後、本葉6~7枚になったら順調な生育をしていて病虫害のない株を1本立ちにする。

鉢土がくずれないよう定植前日にしっかり水やりをしておく。
また、定植後も土が乾いていたら水やりをする。

防虫ネットを掛ける

苗が小さいうちは害虫がつきやすいので、植え付け直後に防虫ネットを掛けておくと安心。

収穫期には虫害の心配はなくなりますが、そのままトンネルを掛けておくことで霜よけにもなる。

追肥・中耕・土寄せ

ハクサイは外葉が大きくならないと結球しないため、成長に応じた追肥で外葉を十分に育てる。

1回目の追肥は定植から2〜3週間後、1握り(約50g)ほどの化成肥料を株のまわりに施し、除草を兼ねて中耕する。

その2〜3週間後、葉が立ち上がり始めた頃に2回目の追肥。
この頃には畝全体が葉で覆われているため、葉を傷つけないよう注意しながら、畝の肩に施す。
除草もかねて軽く土寄せする。

結球

結球は種まき後40~45日で外葉が15枚くらいになると、結球し始める。

この頃から水分要求量が増えるので、雨が降らない時は水やりをする。

結球しない

葉が巻かなかったのは、定植時期が遅かったか、肥料が少なかったのが原因。

結球には、初秋の成長期に一定の葉数が育っている必要があるので、適期の種まきと定植、元肥をしっかり与え、生長に応じて追肥することが大切。

本格的な寒さがくる前に、外葉が大きく広がり、しっかり育っていれば、放っておいても巻き始める。
生長が遅れているようであれば、ビニールトンネルを設置して保温し、生長の遅れを取り戻す。

結球しなくても、菜っ葉として収穫して食べることができる。

病気

軟腐病、べと病、根こぶ病など。

なかでも軟腐病は結球間近になって茎の地際から腐り始めて悪臭を放つ。
発生してからでは防除できないので、予防的な薬剤散布が大切。

軟腐病や根こぶ病は連作をしない、畝を高くして水はけをよくすることである程度防げる。

害虫

アオムシ・ヨトウムシ・アブラムシ類・ハイマダラノメイガ・ダイコンハムシ・タマナンキンウワバ・コナガなどたくさん発生するので早期防除につとめる。

収穫

種まきしてから早生種で60日前後、晩生種で100~120日で収穫。
ハクサイの頭を手で押さえてかたく締まっていたら収穫できる。

地面にぴったりくっついているので、外葉を開いて結球部分を横に倒し、根元を切り取って収穫する。

霜や寒風にさらされると、球の頂部や外葉がカサカサになり、そこから腐ったりしてくるため、初霜が降りる前に収穫を終える。

冬越しする場合

12月に入り霜が降りると、寒さでハクサイが傷む。
中生・晩生種は霜の害を受けないように、結球部分を外葉で包み込むように、上部を紐で縛っておく。
こうすると外葉が枯れるだけで中の葉は守られるので、2月頃まで畑に置いておくことができる。

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