ニンニクの栽培方法、害虫・病気対策!実写真でわかりやすく!

ニンニクの品種・土作り・植えつけ・肥料・収穫・病気・害虫対策を実写真でわかりやすく解説!

基本情報

西アジアから中央アジアあたりが原産。
ニンニクには疲労回復の効果・殺菌効果があり、風邪などのウイルスにも効力がある健康野菜。
消化機能を高め血液をサラサラにする働きがある。
ニンニクに含まれる栄養素は、ビタミンB¹をはじめタンパク質・炭水化物・リンやを豊富に含み成人疾患の予防になるほか、滋養強壮効果のあるアリシンも含んでいる。
青森で国内生産の約7〜8割を占める。

科目 好pH 連作障害 発芽適温 生育適温 日照
ヒガンバナ科 5.5〜6.0 出にくい 18~22℃ 15~20℃ 陽性

コンパニオンプランツ

一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。

バラ、リンゴ・モモなどバラ科の果樹

バラ科の植物には、アブラムシなどの害虫がつきやすいが、ニンニクを植えることで軽減できる。
また、ニンニクはバラの香りを良くするといわれる。
イチゴについては、病害虫を防ぎ収穫期間を長くできるという説と相性が悪いという説がある。

キュウリ、トマト、ナス

ニンニクの根に住み着いている拮抗細菌が、キュウリやトマト、ナスに発生する立枯れ病などの病原菌を退治。
ニンニク栽培をした後のにキュウリ、トマト、ナスを植えるだけでも、効果が期待できる。

相性が悪い野菜

マメ科の植物とキャベツは、どちらも生育が悪くなる。

栽培時期

地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)

10 12
植えつけ・収穫   植えつけ~     ~植えつけ     追肥1       追肥2     収穫~   ~収穫  

品種

北海道・東北などでの栽培は寒地向けの品種を、関東・関東以西などの栽培は暖地向けの品種を選ぶ。地域に合わない品種だとうまく育たないことがある。

ホワイト6片

寒地系ニンニクの代表品種で、市場に最も多く出回る国産ニンニクがこの系統。
鱗片(りんぺん)が大きくそろいがよい。
暖地では低温が不十分で球の太りが悪かったり、冬の暖かさで病気が出やすい。

エレファントガーリック(ジャンボニンニク)

手のひらサイズの大きなニンニク。リーキ(西洋ネギ)の仲間。
栽培方法は通常の大きさのニンニクと同じだが、通常のニンニクよりも育てやすい。

無臭ニンニク

マイルドな香りでニンニク特有の風味も少ない。
普通のニンニクに比べて3~5倍の大きさがある。
暖地でも育てやすく、小片を植え付けても大きくなる。

平戸

関東以西の暖地向けのニンニク。
比較的育てやすく、ニンニク特有の風味もしっかりと楽しめる。

嘉定(かてい)

暖地向けの作りやすい早生品種で収穫も早い。
やや小ぶりながら香りの強いニンニク。
若いときに収穫すれば葉ニンニクとしても使える。

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畑の準備

植え付けの2週間前に苦土石灰150g/㎡散布して耕す。
1週間前には堆肥を2kg/㎡、化成肥料(15:15:15)100g/㎡を施す。
酸性土壌では生育が悪くなるので土壌酸度(pH)は6.0~6.5に調整する。
畝は、幅40㎝以上で高さ10㎝の平畝を立てる。
雑草防止と春先の地温保持のために黒マルチを張っておくと管理も楽。
(生育が良くなり、球が大きく育ち収穫も早まる)
(タマネギ用の穴あきマルチ(株間のサイズも同じ15cm)を利用するよい)
(ただしジャンボニンニクを植える場合は株間20センチ以上)

植えつけ

植えつけ時期は寒冷地は9月上旬~10月中旬、温暖地は10月中旬~11月上旬まで。
ニンニクは乾燥と酸性土壌を嫌い、耐暑性が強くない。
また、植えつけ時期が遅すぎると、春先に生育期間が不足して球が肥大しない。
ニンニクの発芽に適した温度は18~22℃で、25℃以上では休眠状態に入ってしまうため、気温が高い時期に植えつけても発芽せず土中で腐ってしまう。
通常、植えつけてから約1~2週間(1ヵ月以内?)で発芽する。

植えつけ方法

ニンニクの種球のりん片を1つずつに薄皮は付けたままでバラす。(粒が大きく、傷んだりカビたりしていない粒を選別)
バラしたりん片を前日ネットに入れたまま水につけておくと定着しやすい。(らしい)
植えつけは種球の尖っている方を上に向けて、1つずつ土に植え込む。
株間15cm、条間15cm間隔で、深さ10cm位(先端が深さ5~6㎝)
植え付けた後は水をたっぷりと与える。

薄皮をむいて植えつける方法

皮は水分をはじき種球を保護しているが、皮を付けたまま植え付けると、土中の水分を吸いにくく発芽が遅くなる。
薄皮をむいて植えつけると、発芽が早くなり、その後も生育が早く、充実した株で冬を迎えることができるため、最終的に収穫する球も大きく育つ。
この場合、りん片(種球)の乾燥を防ぐため、皮をむくのは植え付けの直前に。

芽かき

ニンニクは芽が2本以上伸びることがあり、2本以上のまま育てると地中の球が大きくならないので、芽が10㎝くらい伸びるまでに芽かきをして1本立てにする。
生育の良い芽だけ残して、育ちの悪い他の芽は全て切り取る。
できればこの芽かき作業は冬に入る前に済ませる。
芽かきした葉は葉ニンニクとして食べることができる。

追肥

1回目の追肥は、いつ植えても、基本、植え付けから1カ月後(時期は目安。葉っぱが黄色っぽくなったころが肥料切れなので追肥)、緩効性の化成肥料を30g/㎡ほどを株間にまき中耕して株もとに土寄せ。
晴れの日が続いたときに。雨の後は追肥しない。肥料が葉っぱについて肥料焼けすることがある。
葉っぱが青々としていれば、年内の追肥は必要ない。

越冬前の追肥が肝心
光合成によって葉で作られる養分が、冬の間に根と茎に蓄えられ、春になって鱗茎に転流されるので、越冬前に地上部を十分に生育させておく必要がある。
2回目の追肥は休眠から覚め球の肥大が始まる2月〜3月頃、1回目と同様に施肥。
球の肥大に効果があるリン酸石灰を50g/㎡、または即効性の化成肥料30g/㎡を株間にまき、中耕して株もとに土寄せ。

水やり

種球を植えてから発芽するまでの間は、用土の表面が乾燥したらたっぷりと水やり。
(ただし多湿を嫌うので毎日与えない)
発芽後はやや乾燥気味に育てるが、冬期でも晴天が1週間以上続く場合はしっかりと水やりを行うと春先の球の肥大が促進する。
球の成長が盛んになる3月以降は気温が上昇して用土が乾燥しやすくなるので、晴れた日は水をたっぷりと与える。
水やりの時間帯は、多湿を嫌うので暖かい日中におこなう。
夕方以降の水やりは病気の発生を助長する。
1回あたりの水やりの量は、1株あたり1.5~2Lが目安。

花芽の摘み取り

4~5月になると茎の先端からトウ(花の咲く茎)が伸る。
ニンニクの球を太らせるために早めに摘み取る。
手でポキッと折るか、掴んで引っ張るとスポッと抜ける。
摘み取るタイミングは、外葉と同じくらいの高さになったとき。
早すぎると球が分かれてしまい、遅すぎると花芽に栄養が取られる。
摘み取った花芽は、炒め物で「ニンニクの芽」として食べられる。

病気

ニンニクは他の野菜と比べると比較的病気に強いが、一度発病してしまうと進行を止めるのが難しい。
ニンニクは多湿や長期間の降雨に弱く、それらが原因で病気にかかりやすくなる。
予防のために石灰が有用。アルカリ分が少ないと葉が焼けないので、牡蠣殻石灰を朝露のあるころ(水をまいた後)に播くとよい。

さび病

葉の表面にサビのようなオレンジ色の小斑点が発生し、悪化すると黒くなり、最終的に枯れる。
症状が進行すると周囲にも伝染する。
特に多湿環境が発生しやすいため、風通しのよい環境作りが大切。

葉枯れ病

白い小斑点が葉の表面に生まれ、拡大すると先端が枯れる。
多湿環境だと病斑上に黒いすすのような胞子を作る。
20〜25度くらいの気温と多湿環境で発生しやすくなる。

白斑葉枯病

白い病斑が葉の表面に現れる。
降雨後の晴天時に、病斑が繋がるように拡大していき、枯死・腐敗する。

黒腐菌核病

根から発生し、株全体に広がる病気。症状の拡大後、株全体が枯れる。
株元に胡麻のような黒い菌核を形成する。
土壌の病原菌が原因なので、水はけを良くするなど、土壌環境の改善が対策。

紅色根腐病

根が紅色になり、腐敗する病気。
初期症状が葉には出ないため、発見が難しい。
水分を吸収できなくなり、やがて葉が枯れ、球根の生長が止まる。
土の乾燥が原因なので、何日も晴天で土が乾燥している場合は水やりする。

青かび病

青かび病は、根から伝染して株全体が病気になる。
生育不良になり、葉に光沢が出て、鱗茎の表面には青いカビが発症。
消毒後の種子の乾燥不足が主な原因。消毒をする際はよく乾燥させる。

害虫

害虫は発生してからの防除だと手遅れになることがほとんど。
基本的に害虫は多湿環境を好むので、風通しの良い環境と水はけの良い土壌環境を作り、防虫ネットを張るのも効果的。
日頃から葉をチェックし、害虫を見つけた際は粘着テープなどで駆除する。

アブラムシ

アブラムシは植物の汁を吸い、ウイルス病を媒介する。
葉の根元についていることが多く、感染が拡大すると葉先までびっしりつく。
オルトラン水和剤が効果的。日当たりや風通しの良い場所を心がけて予防。

ネギコガ

葉の内側に発生し、柔らかい葉を食害する虫。
早めの駆除が重要なため、頻繁に葉のチェックを行う。

ハダニ

葉裏に発生し、葉に白い斑点が発生。
葉がやがて枯れて落葉してもダニはまた新しい葉に移る。
水に弱いので、葉裏に水スプレーをすることで対策する。

収穫

ニンニクは5月中旬~6月下旬頃、葉ニンニクの収穫は3月~4月が収穫適期。
種球の植え付けからは約8か月。
見た目で収穫時期を判断するには、30~50%の葉先が枯れ始めた頃(黄変した頃)が収穫適期。
花芽が葉っぱと同じ高さでニンニクの芽として収穫したら、その10日~約2週間後を目安にして収穫をしても良い。
試し掘りして、お尻が平らなら適期。
ちなみに、ジャンボニンニクの球の脇に小さな「玉」があります。
これは「木子(きご)」といって、収穫した時にすぐに植えるとニンニク(1片だけ)になります。(10月まで保存すると発芽率が下がる)
それをまた植えると翌年は普通のニンニクができる(2年越しだ~)

収穫方法

ニンニクを収穫する時は2〜3日晴天が続いたタイミングで収穫するのがベスト。
ニンニクは掘り出したらすぐに根を切って2~3日ほど畑の上で乾燥させる。
ニンニクは雨の日や雨が続いた後に収穫すると極端に品質が落ちる。
葉先が枯れても球の成長は続いているため収穫時期が遅れて梅雨時期に入ると、土中で球が腐ったり片鱗がバラバラになって品質が落ちたりする。
球の近くの茎を持って引き抜く。
収穫したてのニンニクは「生ニンニク」として食べるとホクホク!
市販ではなかなかないので、家庭菜園の醍醐味ですなぁ~。

保存方法

畑で乾かしたあとは茎を10~15㎝切り、外皮を付けたまま数個ずつ紐で束ねて、雨の当たらない軒下などの風通しの良い日陰で1ヶ月くらいかけてしっかり乾かす
切った茎はキュウリ、トマト、ナス(イチゴ?)などコンパニオンプランツの畝に置いておくとよい。
ハウスや畑で乾燥させる場合は、直射日光が当たらないように寒冷紗やよしずなどを使って遮光する。
この保存したニンニクは種ニンニクとして9月の植えつけに使える。
1カ月ほどして完全に硬化したらネットに入れて湿気のないところで保存する。
ニンニクは常温でも長期保存ができるが、すり下ろしたりみじん切りにしたものを薄くのばしてラップで包んで冷凍しておくと更に長期の保存が可能。

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