モロヘイヤの品種・土作り・植えつけ・肥料・収穫・病気・害虫対策を実写真でわかりやすく解説!
基本情報
モロヘイヤはシナノキ科の1年草で、原産地はインドか中東アフリカ。
タイワンツナソやシマツナソ等の別名があり、日本には1980年代に導入された。
王族が愛したモロヘイヤは、高い栄養価とデトックス効果が際立つ夏野菜。
血液がサラサラになるうえ、夏バテ防止に最適な成分が葉にギュッと含まれている。
非常に栄養価が高く、カロチンやカルシウム、ビタミンCを多く含む健康野菜。
若芽や葉を刻んだり茹でたりすると独特なヌメリが出て、お浸しやスープ、テンプラなどにする。
初期生育がきわめて遅く、苗からの栽培がおすすめ。
寒さに弱いので十分に暖かくなってから植えつける。
放置すると草丈が2m以上になるので、どんどん収穫しながらコンパクトに育てるのもポイント。
科目 | 好pH | 連作障害 | 発芽適温 | 生育適温 | 発芽日数 | 発芽光性 | 日照 |
アオイ科 |
6.0~7.0 | 0~1 | 25~30 | 20~30 | 約5日 | 好光性 | 陽性 |
コンパニオンプランツ
一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。
ニンニク
ダニ類対策に。時期が違うのでプランター栽培したニンニクを株間に置く。
ニラ
根につく拮抗筋が一部の病原菌を抑える?
バジル
生育にプラスに。
マリーゴールド
生育にプラス、センチュウ防御に。
栽培時期
地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)
4月 | 6月 | 7月 | 10月 |
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種まき~ |
定植 収穫~ |
~種まき | ~収穫 |
品種
モロヘイヤは他の野菜のように種類が存在せず一品種だけ。
ウチはダイソーのモロヘイヤ!


畑の準備
植え付けの14~20日日に堆肥と石灰、油粕等を散布しよく深耕する。
7~10日前に有機配合肥料を全面にまき、できるだけ深く土と混ぜ込む。
その後、高さ10cm、幅50cm程度の畝をつくる。
種まき
モロヘイヤは、初期生育が非常に遅いため、苗から育てるのがおすすめ。
黒の9cmポットに培養土を入れ、そこへ種を2~4粒まき、薄く土をかけて軽く鎮圧し、土を固めないようにていねいに水をやる。
芽が出るまではタネが流れないようにジョウロを使ってていねいに水をやる。
間引き
発芽後、本葉1~2枚で最初の間引きをして、株元に少し土を足す。
本葉3~4枚で2回目の間引きを行い、液肥もしくは即効性の肥料を与え、ここでも茎がぐらつかないよう土を株元に寄せ、必要であれば土を足す。
植えつけ
本葉5~6枚になったら、1ポット1本に間引きをして、その後高さ15cm程に成長したら、畑に植えつける。
間引きの際、残す株の根を傷めないように注意。ハサミで切るのもよい。
株間は30~40㎝で、1条植え。植えつけた後はしっかりと水をやる。
水やり
モロヘイヤは水切れを起こすと、葉が硬くなってしまうことがある。
土の表面が乾燥したら、たくさん水をあげる。
乾燥しやすい夏場は、1日に2回~3回の水やりが必要になることもある。
ただし、気温が高い日中に水やりするのは避け、朝や夕方の涼しい時間帯に水を与えること。
追肥
株の状態を見て追肥する。
追肥する場合は、最初の摘み取りが始まった頃に化成肥料を1株当たり30g、株元に施して軽く土寄せする。
乾燥しすぎると肥効が落ちるので、適宜かん水する。
収穫・摘芯

高さが50㎝ほどに成長したら、1回目の収穫を兼ねて半分くらいの丈に切り戻しをする。
茎を切り詰める事で、1本の茎から2本の脇芽が伸びより多くの葉を収穫できるようになる。
夏の間はどんどん新しい茎葉が伸びてくるので、放置せずに、こまめに収穫して、よりフレッシュな新しい葉っぱの収穫量を増やす。
モロヘイヤは、手でポキンと折れるところから茎ごと折って収穫する。
先端から10cm~20cmの位置を目安に摘み取りる。
手で折れないような硬い茎は食感も悪いため、積極的に食べる必要はない。
モロヘイヤの葉はそれほど日持ちしないため、収穫後はすぐに食べることのがおすすめ。
生でサラダに、茹でておひたしにと、お好みの方法で。
すぐに食べるのが難しい場合は冷蔵もしくは冷凍保存する。
冷蔵の場合は1日~2日、冷凍の場合は1週間をめどに食べきる。
注意!
モロヘイヤ栽培で一番注意が必要なのが、タネの扱い。
モロヘイヤの種子や茎には「ストロファンチジン」という毒性物質が含まれている。
種になると完全に見分けがつくので、それをあえて収穫することはないだろうが、花が終わり小さなサヤができ始めた頃は、分かりにくいので注意が必要。
秋を感じ始めると黄色の花が咲き始め、サヤができ始めると間違って収穫してしまう恐れもあるので、花の咲はじ始めには最善の注意を払う。
花が咲き始めたら収穫もそろそろ終わりのサインと捉えても良い。
また、間違ってさやの着いた茎葉を収穫しないよう、枝を刈り込むと良い。
害虫
コガネムシ(成虫)、ハダニ、ハマキムシ、ヨトウムシ
病気
うどん粉病、黒点病
株間が狭すぎたり、風通しが悪いような環境下では葉っぱに白い粉がついたようなうどん粉病や、葉っぱに黒いスポットが出る黒点病になりやすい。
おかしな葉を見つけたら、病状が広がる前に早めに取り除く。
これらの症状は、雨が長く続いたり、蒸れたりすると出やすい病気。
特に梅雨時期はむれないように、枝葉が混み合いすぎるようだったら少し間引きをするなど風通しよく育てる。
また、植え付け事に株間の間隔を確保して育てることが大切。
モロヘイヤの増やし方
モロヘイヤは種まきや挿し木などで増やすことができる。
モロヘイヤの種の採取
モロヘイヤの収穫が一段落すると、黄色い花が咲き、その後は細長い莢ができ、種がつくられる。
莢が茶色に枯れてきたら、弾けてしまう前に種を採る。
あらかじめ莢に紙袋をかぶせておくと、地面にこぼれてしまう心配がなくなる。
種を採ったらしばらく乾燥させた後、紙袋へ入れて保管する。
種には毒があるため、誤飲しないように十分に注意して管理すること。
モロヘイヤの挿し木(挿し芽)
モロヘイヤは挿し木でも増やすことができる。
摘心の際に切り取った側枝を挿し穂として使うと効率的。
収穫後に残った茎の硬い部分10cmほどを水の入ったコップに1週間程度浸け、根が生えてきたら畑に植えつける。
または、挿し穂の先を土に埋めて育ててもよい。