ニンジンの栽培方法、害虫・病気対策!実写真でわかりやすく!

ニンジンの品種・土作り・植え付け・芽かき・土寄せ・肥料・収穫・貯蔵害虫・病気対策を実写真でわかりやすく解説!

基本情報

栄養価が高く、カロテン、ビタミンB2やC、葉酸、食物繊維などが多い。

種類は大きく長根種と短根種に分けられ、現在は短根種の五寸、三寸ニンジンなどが多い。

発芽したら半分は成功といわれるほど、発芽が難しい野菜。

発芽まで土を乾燥させないこと。

播種(種まき)から収穫までの日数は、単根種で約80日、長根種で約140日。

科目好pH連作障害発芽℃生育℃発芽日数好嫌光日照
セリ科5.5〜6.51〜2年15~25℃20℃5~14日好光性陽性

栽培時期

地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)

基本は夏まき秋冬採りだが、本葉3~5枚で10℃以下の低温にあうと花芽ができ、春になるとトウ立ちするので、早まきは避ける。

2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
上・中・下旬 中旬 下旬 初旬 中旬 下旬 初旬 中旬 下旬 初旬 中旬 下旬 初旬 中旬 下旬 初旬 中旬 下旬 初旬 中旬 下旬 初旬 中旬 下旬 初旬 中旬 下旬 初旬 中旬
冬 作 トンネル ~種まき               収穫~       ~収穫                            
春 作   トンネル 種まき~ ~まき種                   収穫~ ~収穫                          
夏 作                             種まき~           ~種まき           収穫~ ~3月まで収穫

品種

時なし五寸 ロイヤルチャンテネー

種の値段

カインズで買った種¥198-

  • 数量:7ml
  • 生産地:アメリカ
  • 発芽率:75%以上
  • 有効期限:2023年10月末日
  • 処理:イプロジオン、チラウム各1回
  • 品種名:ロイヤルチャンテネー
  • 採苗本数(間引き前):およそ880本
  • 販売:サカタのタネ

植えつけ場所

前作でハクサイ、タマネギ、キャベツを栽培した後がよく、トマト、キュウリ、インゲンを栽培した畑は避ける。

土作り

種まき予定の2週間以上前に完熟堆肥(3kg/1㎡)、苦土石灰(100g/1㎡)および元肥(化成肥料100g、過リン酸石灰30g)を散布してから深さ25cm〜30cmに耕す。

又根の原因となる石などは取り除き、ゴロ土はできるだけ砕くか取り除く。

最適pHは5.5〜6.5。

土が酸性ほど生育が遅れるのでしっかりと苦土石灰をまいておく。

畝作り

ニンジンは移植できないので、種は畑に直播きする。

1条植えの場合、40㎝の畝幅で真ん中に種を1cmおきに条播き。

2条植えなら60㎝の畝幅で20㎝離して2条にして種を1cmおきに条播き。

種まき

ニンジンの種は発芽率が低く、低温、高温、乾燥した環境では発芽しにくい。

また、集団で種まきすると発芽率がよくなるので、条播きにして後で間引く。

発芽には水分が必要なので、雨が降った翌日にまくのが良い。
乾いているときは、たっぷり水をまいてから種をまくこと。
雨が降らないときは、発芽するまで毎日、朝か夕方に水やりをおこなう。

条間20cmでまき溝を切り、種を1cmおきに条播き。

覆土は薄めにし、しっかりと鎮圧。
(覆土が薄すぎると種が乾燥しやすいので、種が隠れる5mmほどが目安。)

鎮圧が甘いと土が乾きやすい。

しっかり鎮圧することで地中に溜まった水分が毛細管現象によって地表に上がり、適度な水分が保たれ、水分の蒸発も抑えられる。

また、ニンジンは「好光性種子」なので、土をかけすぎて光を感じなくなると発芽しない。

種まきから10日前後経っても発芽しなければ、種をまき直した方が良い。

種まき後

上から「不織布」をふわりとベタ掛けしておくことで、土の乾燥を防ぎ発芽しやすくなる。

また、雨などで種が流れるのも防止できる。

ベタ掛けした不織布は、本葉が出て間引きを行う頃までそのままにしておくのがよい。

間引き・追肥・中耕

2回の間引きで、最終的には握りこぶし幅の間隔にします。

間引き1回目・追肥

本葉が2〜3枚の頃、指2本くらいの間隔があくように間引く。

条まきでなく穴にまいたのでこんな感じで間引いた。
追肥は液肥を混ぜた水をスプレーした。

 

ニンジンはゆっくり生長するので、生長の早い雑草に負けないよう、生育初期は除草を徹底する。

間引きの時、土が乾いている場合は、あらかじめ水やりして土を湿らせてから間引くと抜きやすい。

追肥は1回ごとに1平方メートル当たり化成肥料(N:P:K=8:8:8)を1握り(約50g)。

間引き2回目・追肥・中耕

本葉が5〜6枚の頃、2回めの間引きをおこなう。

握りこぶし幅(10〜15cm)の間隔があくように間引く。

 

間引いたニンジンは、葉の部分も栄養満点で美味しく食べることができる。

この時、除草をかねて中耕、土寄せをおこなう。
そうすると、土の中に空気が送り込まれ、排水性もよくなり、生育が促される。

また、中耕と同時に条間に追肥を施す。

うちの間引き苗は空いている畝に移植してみた。

 

土寄せ

ニンジンのオレンジ色の部分は、胚軸(葉と根の間の組織)と根が一体化して肥大した部分なので、光が当たると光合成して緑化してしまう。

肩の部分が地上に出すぎている場合は、根首が隠れるように土寄せをおこなう。

「ジャガイモ」は日に当たると有毒のソラニンが生成されて緑色になるが、ニンジンの場合は葉緑素(クロロフィル)なので、緑化した部分を食べても無害。

病虫害

病気は夏の高温期に黒葉枯病、黒斑病が発生することがあるので、殺菌剤を散布。

害虫はネキリムシやキアゲハ、キンウワバの幼虫。
よく見て捕殺するが、捕殺できなければ殺虫剤を散布。

前作でネコブセンチュウが発生した畑で栽培する場合は専用の薬剤で消毒。

収穫

葉が茂ってくる頃が収穫期。

三寸ニンジンは種をまいてから100日程度、四寸、五寸ニンジンは110~130日程度で収穫期。

根元を少し掘って太さを確認し、根が太ってきたものから収穫する。

地上部に出ている根の直径が4〜5cmくらいが収穫時。

成長し過ぎたニンジンは実割れ(裂根)を起こすため、採り遅れないように注意。

11月中旬以降に収穫サイズに育ったニンジンは実割れの心配がないため、ゆっくり収穫できる。

越冬収穫

霜が降りだすと葉が枯れて成長が止まる。

しかし、根は気温の影響を受けにくく耐寒性があるので、ニンジンが隠れるように土を掛けておけば、春までそのままで置いておくことも可能。

トラブル

又根・岐根

生育の途中で、根の先端に障害物があたると、又根になる。

畝を作る際に、石やごみ、草や野菜の残渣は取り除き、土の塊などがないようにしておくことが大切。

また、肥料のやり過ぎで発育が良くなり過ぎたり、肥料やけで生長点がやられてしまうことも、又根の原因になる。

裂根

ニンジンにひび割れが入る現象。

生育後期の過湿など、土壌水分の急激な変化がきっかけで、根の中側と外側との成長バランスが崩れたことが主な原因。

また、収穫期に裂根するのは、収穫の遅れによる過熟が原因。

黒くなる

ニンジンは冬が旬の野菜。夏は苦手。

温度が高くなるとポリフェノールやオキシダーゼが活発になり、褐変(黒ずみ)を起こしやすくなる。

ニンジンの葉っぱがしおれていたので抜き取ると、中心部分が黒くなっていた。
人参の中が黒く変色しているのはポリフェノールの酸化らしく、食べられるらしい。

 

連作障害

ニンジンは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1〜2年あける。

コンパニオンプランツ

「エダマメ」を混植すると、お互いの害虫(ニンジンのアゲハチョウと、エダマメのカメムシ)を予防する。

尚、ニンジンと「インゲン」を一緒に植えると、どちらも「ネコブセンチュウ」の被害を増大させるので注意。

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