オクラの栽培方法、害虫・病気対策!実写真でわかりやすく!

オクラの品種・種まき・土作り・植え付け・芽かき・土寄せ・肥料・収穫・貯蔵・害虫・病気対策などを実写真でわかりやすく解説!

基本情報

オクラの原産地はアフリカの北東部。高温性野菜で暑さには強いが、寒さには弱い。

オクラは栄養豊富な夏野菜。
独特のネバネバは、ペクチンやガラクタン、アラバンなどの食物繊維に由来する。

ペクチンは、整腸作用があり、βカロテンやビタミンB1・B2・C、カルシウム、リン、鉄、カリウムなども豊富に含まれている。

料理は、生食(刻み)、サラダ、煮物、あえ物、天ぷら、炒め物など。

種類 科目 好pH 連作障害 発芽適温 生育適温 発芽日数 発芽光性 日照
オクラ アオイ科 6.0〜6.5 2〜3年 25~30℃ 20~30℃ 4~6日 なし 陽性

栽培時期

地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)

4月 5月 6月 7月 10月
種まき~ ~種まき/植えつけ~ ~植えつけ 収穫~ ~収穫

コンパニオンプランツ

一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。

エダマメ・ダイズ・ササゲ・ラッカセイ

エダマメ他の根の根粒菌の働きで窒素が固定されて肥沃な用土になり、多肥性のオクラにとって好相性。

つるありインゲン・サヤエンドウ・ソラマメ

根粒菌のほか、つるありインゲンのつるの巻き付けに、オクラを支柱代わりとして利用。

ニンニク

栽培期間がずれているため、混植ではなく、リレー栽培にはおすすめ。

オクラの根がニンニクの根の跡を利用して地中深くまで伸ばすことができる。

良くない植物

ゴボウ・ナス・ピーマン・シシトウ・トウモロコシ~生育が悪くなる

品種・種類

オクラは、断面の形によって丸サヤ種・五角種・多角種などの種類に分けられる。

また、オクラの色は緑色が多いが、白っぽい薄緑色の莢をつける「白オクラ」や、濃い赤紫色の莢をつける「赤オクラ(紅オクラ)」などの種類もある。

長さもいろいろあり、2cm程度のものから、15cmにもなるものも。

島オクラ(丸オクラ)

島オクラは沖縄の在来種。
丸い莢で、柔らかく食べやすい。
莢を15cm程度まで伸ばしても柔らかいまま食べられる。

ヘルシエ(丸オクラ)

淡い緑色をした白オクラで、食べてみると強い粘り気があり、莢は肉厚で柔らかめ。

クリムソン・スパインレス(多角種)

断面が六~八角形の多角種。
草丈は大きめで、2mほどまで生長することもある。
莢はきれいな緑色をしていて、花の美しさも楽しめる品種。

ピークファイブ(五角オクラ)

五角形の断面をしている、一般的な形状のオクラ。
草丈は小さめで、ベランダ菜園のようにスペースが狭くても栽培しやすい。

楊貴妃(白オクラ)

五角形の白オクラ。莢に厚みがあり柔らかく、生食にも向いている。
草丈はやや高めで、葉も大きく広がりる。

島の恋(赤オクラ)

赤く丸い莢の形の赤オクラ。一株からたくさん収穫できる。

「島の恋」に限らず、赤オクラは茹でることで赤い色が抜け、緑色になってしまうので、赤色を活かしたいなら、生で食べること。
加熱したい場合は、電子レンジでの短時間の加熱であれば、赤い色を残したまま調理できることも。

種まき・育苗

硬実種子なので、一晩水につけてからまくとよい。
直まきは晩霜の危険がなくなり、地温が十分上がってからトンネルがけしてまく。

種まきはポリポット(9cm)まき、直まきいずれも直径4~5cm、深さ1cmくらいの穴を作り、4~5粒をまいて1cmほど土をかけ、手で軽く押さえて水やりする。

ポットまきでは25~30℃に保温。

4~5日で発芽する。

本葉2枚の時に2本立ちにし、本葉3~4枚の時に1本立ちにする。

ポットまきでは本葉5~6枚で定植。30~40日。

苗の選び方

オクラの苗を買う場合は、下葉が落ち枯れているような苗は避け、葉がしっかり濃い色のものを選ぶ。

大きく育ったオクラは、その分だけ根も伸びているので、植え替え時、根が傷んでしまうこともあるため、あまり大きな苗よりも、本葉3枚~4枚がついている程度の大きさのほうが植え替えやすい。

畑の準備

日当たりがよく、肥よくで水はけがよい場所を好む。
土質は選ばないが、酸性土壌は栽培に適さず、好適なpHは6.0~6.5。

定植(直まき)の2週間以上前までに苦土石灰(3握り( 約150g)/1㎡を散布して耕す。

1週間前に堆肥(約3kg/1㎡)と元肥(化成肥料(N:P:K=8:8:8)2握り(約100g)/1㎡)を施してよく耕し、畝を作る。

オクラは草勢が強いとよい実ができないので、元肥は少なめにし、追肥によって草勢を制御する。

畝は幅70cm・高さ15~20cmで2条植え、株間を25cm程度。

保温と雑草防止のため黒ポリマルチをするとよい。

植えつけ

オクラの植えつけ時期の目安は5月中旬から6月中旬。
適温を保てるよう、暖かくなってから植えつけ作業を行う。

植えつけ時、オクラの根が傷んでしまうと生育が悪くなってしまうので、育苗ポットから取り出す際は、根鉢を崩さないようにする。

生育のスピードを遅くする植え方

オクラはぐんぐん生長し、たくさんの実をつけるので、収穫が追いつかず採り遅れてしまうことがあり、採り遅れたオクラはかたくなり、食感が落ちてしまう。

そんな時は、オクラを小さめに育て、生育のスピードが遅めになるようにする。

方法は・・・

あえて密植にすること!

たとえば、3粒程度の種をまき、間引きせずにそのまま育てる。
密植することで一つひとつの株は小さくなり、莢が生長するスピードがゆるやかになり、柔らかい実を収穫しやすくなる。

支柱立て

オクラは風で倒れやすいので支柱を立てる。

少ない本数なら1本ずつ、沿わせて支柱を立てればよい。
多い場合は垣根式などで支柱を立てる。

追肥

追肥は開花が始まった頃から10日~2週間ごとに行う。

畝の両側(マルチの外に)1m長につき化成肥料8-8-8を軽く1握り(約30g)。

株元はダメ!

葉っぱの切れ込みが深く(葉っぱが細く)なったら肥料不足!

また、生長点と花の咲く位置が近くなってきたら、肥料不足の可能性がある。
理想は花の上に葉が3枚ある状態。

病気

苗立枯病

糸状菌が原因となって発症する。早まきすると発生しやすいので早まきは避ける。

半身萎凋病

葉っぱの半分が黄色になり縮れてしまう。

葉枯病

淡褐色の小斑点を生じ、やがて拡大して直径約5mmの周縁部が紫褐色、中心部が淡褐色になる。

うどんこ病

葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたように白いかびが発生し、葉の表面が覆われる。

灰色かび病

茎葉が溶けるように腐り、さらに病気が進行すると灰色のカビに覆われる。

透明なつぶつぶ~病気じゃなかった!

オクラに透明なつぶつぶが・・・
なにかの病気かと心配したが、「ムチン」と呼ばれる粘性の糖タンパク質が水を含んで粒状になったもので、これこそがオクラのネバネバ成分らしい。

 

害虫

ネコブセンチュウ

発生すると防除できないので連作を避ける。

アブラムシ

防除対策のひとつとしては殺虫剤を定植あるいは直まき時に植え穴に施用。
また、シルバーストライプ入りマルチをすると効果がある。

ハスモンヨトウ

防除対策のひとつとしては殺虫剤を定植あるいは直まき時に植え穴に施用。

カメムシ

発生させないため、周辺の雑草は抜いてきれいにし、落ち葉や花がらなどもこまめに掃除。

水やり

基本必要なし。

種まき後の水やり

種まきをした後は、発芽するまでしっかりと水をあげ、発芽後は土の表面が乾いてから水を与える。

植えつけ後の水やり

植えつけた後は、根づくまではたっぷりと水やりする。
水切れしないように用土をチェックし、乾いていたら水をあげる。

根づいた後の水やり

植えつけから1週間程度たち、新しい葉が元気よく伸び始めたら根づいたと考えてよい。
その場合、基本的に、土の表面が乾いたら水やりする。

開花の時期に入り、実ができるようになったら、水切れしないように気をつける。

ただし、生育初期に水をあげすぎると徒長の原因になる。

夏の水やり

地植えの場合、特別な水やりは不要だが、雨が何日も降らず乾燥している場合は、水を与える。
乾燥を防ぐために藁を敷いておくこともおすすめ。

水切れのサイン

オクラが水切れすると葉がしなびたり、葉の切れ込みが深くなってしまうこともある。

収穫

収穫適期は、栽培している品種の絵袋に記載の長さを参考にする。

一般には、開花後4~5日くらいで収穫が行える。
品種によるが、5角オクラは7~8cm、丸オクラは12~15cm以内。

オクラは収穫したら、収穫したところの下の葉っぱを落とすと風通しもよくなり、長く収穫できる。

果梗は硬いのでハサミを用いて収穫。収穫が遅れると硬くなるので注意。

家庭菜園ならではのメリットで新鮮な花オクラの収穫も楽しめる。天ぷらにしてもおいしい。

生理障害

曲がり果やイボ果は、生理障害なので食べても問題ない。

イボ果

表面にブツブツとしたイボが生じる。

過繁茂や極端な草勢低下。適正な栽植密度と肥培管理を心がける。
また低温や日照不足が続くと発生が多くなる。品種選定も重要。

曲がり果

莢がくるりと曲がる。

莢内部の子実の発育不良が原因。草勢低下や、特にカメムシの吸汁による。
追肥やカメムシの防除を行う。

オクラの種の採取

大きく元気に育った実を選び、枯れるまでそのままにしておく。

実が枯れてから摘み取り、風通しの良い日陰で乾燥させてから種を取り出す。
その後、種を2~3日乾燥させてから封筒などに入れて冷蔵庫で保管。

翌年の種まき時期になったら、プランターや畑にまいて育てる。

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