ラッキョウの栽培方法、害虫・病気対策!実写真でわかりやすく!

ラッキョウの品種・土作り・植えつけ・土寄せ・肥料・収穫・病気・害虫対策を実写真でわかりやすく解説!

基本情報

血液をサラサラにする効果があり、アリシンはビタミンB1を吸収する役割を担う。
ビタミンB1を含む食材を一緒に食べると効果的。

独特の風味があり、塩漬け、甘酢漬けなどの保存食になる。

ラッキョウは非常に丈夫で土壌の適用範囲も広く、やせ地でも十分育つため、栽培は簡単。

葉が青いうちはエシャレットとして若採りが可能。
(^_-)-☆名前が似ているが、エシャレットはラッキョウの若採り、エシャロットは小型玉ねぎの一種。

掘り上げたラッキョウを乾燥しておけば、次の栽培に使える種球になる。

2018年のラッキョウの主な産地は鳥取県(2,259トン)、鹿児島県(1,921トン)、宮崎県(1,248トン)

科目 好pH 連作障害 生育適温 日照
ヒガンバナ科 5.5〜6.0 出にくい 18~22℃ 半陰性

コンパニオンプランツ

一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。

キュウリ

つる割病を抑える。

ゴボウ

ゴボウを育てた後は、土が深く耕せておりラッキョウが良く育つ。

秋にゴボウの種を蒔いて、翌年の春から初夏にかけて収穫。
収穫した後の場所に、9月頃よりラッキョウを植え付け。
ラッキョウを翌年の6月頃に収穫したら、秋に再びゴボウの種を蒔く。
このように、ラッキョウとゴボウを年ごとに交互に育てるとゴボウの連作障害が出ずに2年サイクルで植え付けることができる。

トマト・ナス

青枯病・立枯病を抑える。

ニンジン

病虫害を減らす。

栽培時期

地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)

9 5 6 7
植えつけ・収穫   植えつけ~     ~植えつけ     収穫(エシャレット)~     収穫~     ~収穫  

品種

代表的品種『らくだ』

小粒で香りが強い沖縄の在来種『島ラッキョウ』

ラッキョウとタマネギの交配で生まれた新種『越のレッド』など

2022年のウチはこのラッキョウ!

島忠で9月7日に購入。

らっきょう 200g¥382-

 

畑の準備

やせ地でも育つため、肥料はそれほど多く必要としないが・・・

植えつけの2週間前までに100~200g/1m²の苦土石灰を散布してよく耕す。

1週間前までに、畝全面に堆肥2~3kg/1m²と化成肥料を100~120g/1m²を散布し、土に混ぜ込みよく耕す。

1条植えの場合は幅60cm、2条植えでは幅80cm、高さ10㎝の畝を立てる。
2条植えの場合は、条間を25~30cm間隔。

植えつけ

種球を1球ずつにばらし、株間10~15cmで1箇所に1球ずつ、芽(尖った方)を上にして浅植え(覆土3~5cm)で鎮圧。
小さい種球の場合は2球ずつ植える。

植え付け後はたっぷりと水を与えます。

浅植えにすると分球が多く、小球になり、地表に出て光が入りやすく球が緑化しやすくなる。

植えつけの仕方によって球の大きさが変えられる。
小球をたくさんとりたい場合は、一つの植え穴に2〜3球を浅植えにする。

追肥

2月〜3月頃に葉色が悪ければ、株元に追肥。

勢いがよければ追肥は不要。

土寄せ

3〜4月の盛んに育ってきた頃、株元に土寄せする。

根が伸びると、ラッキョウは地面の上に押されるので、根元に光が当たらないように、土寄せをして育てることで、緑色になるのを防ぎ、白いラッキョウになる。

また、土寄せしないと、丸球や長球など形の悪い球になる。

エシャレットとして収穫する場合は、やや多めに土寄せして軟白化する(軟白部は10cm程度が目安)。

病気

ウイルス病

ウイルスの種類や植物によって異なるが、次の症状が現れる。

  • 萎黄病・・・葉・茎が黄変する
  • 萎縮病・・・葉・茎が成長せずに萎縮する
  • モザイク病・・・葉に濃淡のモザイク状(まだら模様)の病斑が現れる
  • 葉巻病・・・葉が巻いて委縮する
  • 輪紋病・・・黄色〜黄緑色の輪紋が現れる

比較的雨の少ない年の9月から11月に発生しやすい。

発症すると、成長が阻害され収穫量や品質が低下する。

植物同士の接触、農作業に伴う汚染された道具(ハサミなど)や人の手、衣服の接触、吸汁性昆虫(汁を吸う害虫)の媒介で感染する。

一般的な原因は、アブラムシやアザミウマがウイルスを媒介。

ウイルス病に感染すると治療する薬剤はない。

他の株へ伝染するのを防ぐため、発病株は抜き取り焼却処分。
その際、作業に使ったハサミなどはウイルスに汚染されているので、手指なども含めてしっかりと消毒する。
ウイルス病の予防として手指・器具の消毒をするには「レンテミン液剤」などが効果的。

主にアブラムシがウイルスを伝播するので、アブラムシの防除を徹底する。

防虫ネットのトンネルを掛けたり、シルバーマルチを敷いて飛来を防ぐなどが有効。

さび病

葉の表面に、オレンジ色の楕円形で、やや膨らんだ小さな斑点が多数できる。

糸状菌(カビ)による伝染性の病気。

発病株の斑点が破れて、粉状の胞子が周囲に飛散して伝染。(病原菌は越冬して翌春の伝染源にもなる)

春と秋、低温で雨が多い時期の被害が多い。

発病した葉などは除去して処分。

さび病の菌は酸性を好む一方でアルカリ性が苦手なので、発生が見られた畑に「石灰」をまくことで、菌がそれ以上広がるのを抑えられる。

農薬を使う場合は「ダコニール1000」などが有効。

有機農産物栽培(有機JAS)にも使える殺菌剤「カリグリーン」も効果的。
炭酸水素カリウムを主成分としているので、散布後、副次的にカリ肥料にもなる。

株が弱ると病気が出やすいので、水はけを良くし、多肥や肥料不足に注意。

また、「干しネギ栽培」も有効。

春に定植した苗を7月に一旦掘り出し、3日間ほどカラカラに干して植え直すと、根の張りが良くなり、耐病性が高まる。

軟腐病(なんぷびょう)

葉身基部の地ぎわ部が軟化し腐敗する。

土壌中にすむ細菌が、植物の傷から侵入。

植物に傷が付いていたり、窒素過多により軟弱に育った場合に、細菌に侵入されやすい。

梅雨の終わりや夏の高温多湿時に多く発生。

細菌性の病気は薬剤が効きにくいので、発生したらすぐに株を抜き取り、畑の外に持ち出して処分。

高温多湿で発生しやすいので、高畝にし、マルチシートを張ることで、泥はねを防ぐ。

傷口から侵入するため、苗の定植時に根や茎を傷めないように注意し、芽かきなどの作業は乾燥した天気のいい日に行う。

また、傷の原因となる、葉を食害する害虫を防除する。

害虫

ネギアブラムシ

体長1.8〜2mmの黒色で小さな虫が葉に群がって、吸汁加害。

ウイルス病のウイルスを媒介する。

見つけたら個体数が多くなる前に潰して取り除くこと。

農薬(殺虫剤)を使う場合は、「ベニカ水溶剤」などが有効。

有機農産物栽培(有機JAS)にも使える自然派薬剤では「アーリーセーフ」「ベニカマイルドスプレー」なども有効。

最初の飛来を防ぐためソルゴーやムギなどを周囲に植えて防風壁を作ったり、反射光を嫌う性質を利用して、シルバーマルチを敷く/銀色の光反射テープを張るのも有効。

アブラムシは黄色に誘引される性質を利用して、黄色の粘着板や粘着テープを株の周囲に設置する。

他には、アブラムシを食べる益虫のテントウムシを引き寄せる「ヒマワリ」などを畑に植える。

また、植物が窒素過剰の状態だとアブラムシが発生しやすくなるため、窒素肥料をやりすぎない。

ネギアザミウマ

体長1〜2mmの小さな成虫や幼虫が葉を食害して、かすり状の白斑にする。

ウイルス病のウイルスを媒介する。

花などに入り込む性質上、駆除するのは難しい。

葉や新芽に症状が現れたら、こまめに摘み取っていく。

農薬(殺虫剤)を使う場合は、「ベニカ水溶剤」などが有効。

また、発生源となる雑草の除草を徹底。

害虫の飛来防止に銀色の光反射テープを張る。

成虫は反射光を嫌うので、シルバーマルチを敷いたり、銀色の光反射テープを周囲に張ったりするのも効果的。

小さい虫なので、防虫ネットを使う場合は網目が0.5mm以下の細かい目合いの防虫ネットをつかう。

また、アザミウマは青色に誘引される性質を利用して、青色の粘着板や粘着テープを株の周囲に設置する。

他に、コンパニオンプランツとしてマメ科の緑肥作物「クリムソンクローバー」を一緒に植えることで、アザミウマをクリムソンクローバーが引き受けてくれ、天敵も呼び寄せてくれる。

花も好むので、周囲に青い花を植えるとより効果的。


害虫:ネダニ(ロビンネダニ)、ネギアザミウマなど

【耕種的防除】
○種球をビニールハウス内などに薄く広げ、晴天状態で5日間以上天日乾燥する。
○種球を45℃温湯で30~60分処理する。
○ネダニは酸性土壌で増殖が激しいので、土壌pH6程度に矯正する。
○収穫後、圃場に罹病球やネダニの寄生した球を残さないようにする。
○定植の遅れは病害の発生を助長するので、定植時期は守る。
○多肥栽培を行うと病害が発生しやすいので、肥料の多用は避ける。

収穫

収穫時期は6月中旬〜7月中旬。

葉が7~8割方枯れてきたら収穫適期。葉が完全に枯れる前に収穫。

天気の良い日に掘り取り、風通しの良いところで乾燥させる。

掘り上げたら1球ずつにばらしておく。

1年掘りと2年掘りがあり、1年掘りの場合はひとつの種球で8〜12個くらいのラッキョウが収穫でき、さらに1年まって分球させたものが2年掘りで、良質の小粒のラッキョウが30個以上収穫できる。

ラッキョウは収穫後に根と茎を切り取っても成長を続けるため、塩漬けや甘酢漬けなどにする場合は、すぐに調理する。

うちのは、甘酢漬けしてカレーのお供になっています^^

 

種球用として保存するときは、葉と根を切り落とし(根は1cm程度残す)、ネットに入れて風通しのよい軒下などに吊るしておく(球はばらさない)。

エシャレット

5月頃(3月下旬から4月上旬?)まだ葉が青いうちに若採りすると、エシャレットとして収穫できる。

ラッキョウほど香りやクセが強くなく、沖縄の島ラッキョウのように生のままで食べられる。

ラッキョウのおいしい食べ方

酢漬けや甘酢漬けにして長期間食べられる。

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