ワケギの品種・土作り・植えつけ・肥料・収穫・貯蔵・害虫・病気対策を実写真でわかりやすく解説!
基本情報
ワケギ(分葱)はネギの仲間で、香りが良く、上品な味わいであることも魅力。
鍋や魚介料理、汁物など、さまざまな料理の薬味として活躍する。
ワケギは種をつくりにくい植物で、球根から育てるのが基本。
植え付けから約2カ月で収穫を迎え、収穫後約1カ月で新しい葉が再生するので、何回か収穫を楽しむことができる。
半日陰でも作れて、ベランダなどでのコンテナ栽培にも向く。
必要な分だけ葉を切りとりながら長く味わえるお得な野菜。
科目 | 好pH | 連作障害 | 生育適温 | 日照 |
---|---|---|---|---|
ヒガンバナ科 | 6.0〜6.5 | 1〜2年 | 15~20℃ | 日なた |
品種
ワケギ~エシャロットとネギの交雑種。寒さに弱い。
アサツキ~耐寒性があるので寒冷地での栽培におすすめ。
ワケギ・あさつき・小ネギの違い
ワケギは小ネギと比べると葉がやや太め。香りが良く甘みがあり、辛み・苦みは控えめ。
ワケギとよく似た野菜に「あさつき(浅葱)」がある。
あさつきは、ワケギや小ネギよりも葉が細く、色も鮮やかで辛みが強めな点も異なる。
ワケギとあさつきはほとんど同じ方法で育てることができる。
ただ、ワケギは耐寒性が弱く、あさつきは寒さに強い点に違いがある。
また、ワケギやあさつきと違い小ネギは基本的に球根ではなく種で増える。
栽培時期
地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)
8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 3月 | 5月 | 6月 |
種球植えつけ~ |
~種球植えつけ | 収穫~ | ~収穫 | 収穫~ | ~収穫 掘り上げ~ | ~掘り上げ |
畑の準備
良質の葉を得るには前もって完熟堆肥と油かすなどを施しておくことが必要。
地植えする場合は、植えつけの2週間前までに苦土石灰を、1週間前までに堆肥や緩効性肥料(完熟堆肥と油かす?)を混ぜて耕しておく。
畝を立てる
幅50cm~60cm程度の畝をつくる。雑草が気になるときはマルチングしておく。
植えつけ
植え付けの適期は8月下旬~9月中旬。
植え付けに先立って、病害などに汚染されている外皮を取り除き、充実した球を選ぶ。
芽が出る尖った部分を上に向けて、頭が少し見えるくらいに浅植えする。
1カ所2〜3球ずつまとめ、株間15〜20cm間隔に植えつける。
追肥・管理

芽が伸び、草丈が15cmぐらいになったころ、株間に化成肥料と油かすを少々(5株当たり各大さじ1杯ぐらい)を与える。
また、収穫するたびに追肥を行い、次の収穫のために必要な栄養を与える。
水やり
ワケギに水をあげすぎると根腐れの原因になってしまうことがある。
ただ、乾燥しすぎても生育が悪くなるので、適切な頻度・量を心がけることが大切。
植えつけから1週間程度の間は、とくに乾燥しすぎないように気をつける。
苗がまだ小さなうちは、水やりの勢いで倒れてしまわないよう、優しくそそぐことがポイント。
その後、地植えの場合は基本的に水やりをせず、雨が降るのに任せる。
晴れて乾燥した日が続いたら、乾かないように水やりする。
土寄せ・中耕
追肥と同時にしておきたいのが土寄せ・中耕。
株周りの土表面を軽く耕して、株元に寄せる。
定期的に実施しておくことで、根が出てしまうのを防げる。
病気・害虫
病気や害虫には比較的強いので、あまり心配ない。
アブラムシがついたら駆除する。
収穫
ワケギを夏に植えつけたら、10月~11月頃の秋と3月~5月の春に収穫。
葉が20cm~30cmまで伸びた頃が収穫のタイミング。
株元を地上3〜4cmほど残して、はさみか刃物で刈り取る。
ネギ類は全てそうですが、切り口からはすぐに、中で分化、成長しつつあった新葉が伸び出し、やがて元のようなワケギの形に育ってくる。
刈り取ったらすぐに前回と同じぐらいの肥料を株の周りに施し、土に軽く混ぜ込んでおくと、20日~30日後にはもう一度収穫できる。
秋の収穫が終わり、気温が下がってくると生育が停滞します。
春になれば再び生育し、収穫することが可能です。
夏が近づいて気温が上がり、地上部が枯れてくると、ワケギの収穫は終了となる。
収穫が一通り済んだら、種球を掘り上げて保存しておく。
タイミングの目安は5月下旬から6月上旬頃。
最後の収穫が終わってからすぐ掘り上げるのではなく、しばらくは水やりし、日光を当てながら管理する。
しっかりと種球を肥大させてから掘り上げることで、次のシーズンで再びたくさんのワケギを収穫できるようになる。
掘り上げた種球は風通しの良い日陰で転がしておくだけでよい。
7月〜8月になると休眠から覚めて芽が伸び始めるので、畑に植えつけ~同様の工程を繰り返す。
Q&A
ワケギは最大で何回ぐらい収穫できる?
ワケギの収穫は1年に3回~4回が目安。
たくさん収穫するためには、葉を刈り取った後に追肥をすることが大切。
ワケギ栽培で植えかえは必要?
ワケギを植えっぱなしにしていても育てることは可能。
ただ、土の中で自然と分球していくため、放っておくと窮屈な状態になってしまう。
株が込み合うと生育が悪くなり、収穫できる量も少なくなる。
また、植えっぱなしにしておくと病害虫被害を受けやすくなってしまう。
定期的に掘り上げて植えかえることがおすすめ。
種球は分球しておき、なるべく大きく形の良いものを選んで残す。
ワケギの病害虫対策は必要?
基本的に病害虫被害を受けにくいとされる。
ただし、まれにアブラムシなどがついてしまうことがある。
アブラムシを放置しているとすぐに増えてしまい、株を弱らせ、枯れる原因にもなるため、見つけ次第すぐに駆除する。
アブラムシの発生を予防するため、風通しや日当たりの良い場所へ植えつけることも大切。