スイカの栽培方法、害虫・病気対策!実写真でわかりやすく!

スイカの品種・種まき・土作り・植えつけ・土寄せ・肥料・収穫・病気・害虫対策を実写真でわかりやすく解説!

基本情報

果糖やブトウ糖などの糖質が多く含まれていて、疲労回復によく、ビタミンA、B1、B2、Cなどが含まれ栄養補給に最適!
果肉の赤色は、リコピンとカロテン。カリウム、マグネシウムなどが多いアルカリ性食品。
高い気温と強い光を好む野菜で、日当たりがよい畑でよく育つ。
土壌はあまり選ばないが、水はけがよいことが条件。

科目 好pH 連作障害 発芽適温 生育適温 発芽日数 発芽光性 日照
ウリ科 6.0〜6.5 4~5年 25~30℃ 25℃ 約7日 なし 陽性

コンパニオンプランツ

一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。

ネギ類

ウリハムシなど害虫が寄りにくくなる。
「つる割れ病」の原因となる菌が、ネギの根に共生する細菌が出す抗生物質により死滅する。
スイカの根は真っすぐ深く伸び側根は多くなく、長ネギは浅根タイプですので 根の競合の心配がない。
スイカが感染する病原菌は地表に近い浅い場所にいるので、ネギの根が出す抗生物質が病気予防に役立つ。
スイカの根鉢に長ネギの根が触れ合うように(絡めさせて)植えつけるとよい。

トウモロコシ

害虫が寄りにくくなり、両方の生育が良くなる。

マリーゴールド

アブラムシが寄りにくくなる。

相性が悪い野菜

基本的に同じウリ科の植物は相性が悪い。
キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、ヒョウタン、ゴーヤなど

栽培時期

地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)

3月 5月 7月 9月
種まき~収穫   種まき~     ~種まき     収穫~     ~収穫  

種類・品種

大玉すいか

日本で流通しているスイカの主流。
重さは5~8kgと大玉で球形。
緑色と黒色の縞模様で、果肉が赤色のものがほとんどで、果肉にシャリ感があり、甘味に富む。
主な品種は、「祭ばやし777」「紅大」「富士光」「縞王系」など。

小玉すいか

形状や果肉の色やしま模様は大玉スイカと同じだが、重さは1.5~2kgの小型品種。
早生で甘味が強く果皮が薄い。
品種には赤肉の「紅こだま」黄肉の「黄こだま」、果肉が硬くくずれにくい「サマーキッズ」「姫甘泉」「ひとりじめ」など。
主産地は、茨城県、群馬県、千葉県など。

黄肉すいか

果肉が鮮やかな黄色の品種。
上品で淡白な風味だが流通量は少ない。
形状大玉のほか小玉、ラグビーボール型などがある。

黒皮すいか

果皮は黒色で果肉は鮮やかな赤色(黄色もアリ)の品種。
独特の食感と甘味があり、比較的日持ちする。
東南アジアではよく見られ、日本では北海道当麻の「でんすけすいか」や富良野の「へそすいか」などが有名。

黄皮すいか

果肉が赤く果皮が黄色の珍しい品種。栽培は少ない。

種なしすいか

日本で開発されたが、発芽が難しく熟期が遅く味にむらがありあまり普及しなかった。
東南アジアでは台湾で改良された品種が普及している。

ジャンボすいか(黒部すいか)

かわりものの一つ。
楕円形で太い縞があり、重さは15kg~30kgになる大型種。
果肉は桃色、肉質は硬く、糖度はあまり高くないが、日持ちがよく、長時間の輸送にも耐える。
富山県の特産品として贈答用にわずかに出回っている。

今回はこのスイカ

安いので島忠で買った種「甘い大玉すいか」¥206-

  • 数量:2.5ml
  • 生産地:中国
  • 発芽率:80%以上
  • 有効期限:2023年10月
  • 品種名:新大和
  • 処理:塩基性塩化銅・食酢浸漬各1回処理
  • 販売:アタリヤ農園
  • まく時期:3月中旬〜5中旬
    収穫時期:7月中旬~9月中旬
  • 発芽適温:15~30℃
  • 収穫日数:約110~120日
  • 株間:100㎝
  • 発芽日数:約7日

 

種まき・育苗

3号ポットに培養土を入れ、タネを1〜2粒ずつ、1cmくらいの深さにまいて土をかぶせ、手で軽く押さえて水やりする。
発芽までは25~30℃になるよう保温する。4日ほどで発芽する。
発芽後、本葉1~2枚の時に2本に間引きし、本葉2~3枚で1本立てにする。
そろそろ?

定植適期苗は本葉4~5枚(種まき後40~45日程度)。

畑の準備

水はけ良くするため鞍つき畝が良い。
直径40㎝、深さ30㎝の穴を掘り、穴の底に藁やもみ殻を10㎝程入れて踏み固める。
全体の肥料(ぼかし肥と牡蠣殻石灰?)の半分ほどを入れてから穴を埋め戻す。
その上に、肥料を半分混ぜた土を使い、底辺50㎝、上辺2~30㎝、高さ20㎝の鞍つき畝を作る。
鞍つき畝が出来たら黒マルチをかける。
これで水はけもよくなり、病気に強い甘いスイカが出来る。
雨に長く当たると根腐れや成長が悪くなるので、植付後はダンポールをクロスして上からビニールで屋根を作り雨除けにする。

植えつけ

本葉が5〜6枚のころ、株間1mほどで植えつける。
つるを伸ばしたい方に斜めに植えつける。
この時(か摘芯時)、炭疽病予防に双葉と初生葉(本葉より下の葉)を切り取っておくとよいらしい。
定植は、ポットごと水に漬けて空気を抜いてから、根鉢をくずさないように浅植えで長ネギの苗と同時に植えつけ水やりする。
また、防風・ウリハムシ対策に空き袋で囲っておく。
マリーゴールドを畝の肩に植えておくと病気や受粉に効果的。
ちょっと小さいけどネギと混植した。

整枝

家庭菜園の大玉栽培では本葉5~6枚で親づるを摘芯し、子づる4本整枝2果どりがよい。
・摘心、摘葉、整枝作業は必ず晴天日に行い、夕方には傷口が乾くようにする。
・1節目から出る子づるは伸びが悪いので取り除き、2~4節から出る子づるを伸ばす
・人口授粉は開花後、時間がたたないほうが花粉の状態がよいので、早めに(午前9時までに)行い、日付けを書いたラベルをつける。
2023年は、4本整枝、2果どりにする。

 

本葉5~6枚で親づるを摘芯し、子づる4本を伸ばす。
1番花、2番花は摘み取り、15〜25節(16~22節?)に着果させる。
雌花すべて交配し、卵大のころ紡錘形のきれいな果実を2果残す。(4本中2本にスイカができる)
第1の雌花は6~8節につき、その後、7~8節ごとに第2、第3の雌花がつく。
着果節位までの側枝(孫づる)は、早めに摘み取る。
着果節位以降の側枝は基本的に残し、玉の肥大促進のために葉面積を増やす。
子づる先端は摘芯しない。
収穫までは整枝をひかえ、草勢維持につとめるが、後半まで草勢が強すぎると空洞果や裂果が発生したり、糖度が上がりにくくなるので整枝する。
草勢を見ながら、着果を確認した摘果後、つる先にチッソ成分で30~40g/10㎡施す。
アミノ酸入り液肥を、着果後から定期的に施用すると果実の肥大や品質が向上する。

 

小玉スイカは子づる4本整枝3果どり

子づる4本仕立て、1番果を3果どりとし、うね幅を300cm、株間60~80cm程度、栽植密度は10㎡当たり4株ぐらいが基準。(2番果・花という説もあり)
1番果収穫後、草勢が安定していれば2番果を着果させて6玉収穫を目指す。

 

着果

交配判断の草勢判断

朝につる先がしっかり持ち上がり、当日開花した雌花からつる先までの長さ40~50㎝ぐらいなら交配。
それより短い場合は草勢が弱く果実の肥大不足が予想されるので、交配を先送りして葉枚数を増やす。
長い場合は、草勢が強く着果率の低下が心配されるので、孫づるをもう少し先までかき取るなど、草勢を抑える。

交配

最低夜温は15℃以上必要で、日照不足、チッソ過多、高温、多湿によって茎葉が軟弱に生長しているときは雌花の着生が悪く、落花が多くなる。
その日の朝に初めて咲いた雄花を必ず使う(夕方咲いている雄花は除去する)

 

追肥

草勢を見ながら、着果を確認した摘果後、つる先にチッソ成分で30~40g/10㎡施す。
アミノ酸入り液肥を、着果後から定期的に施用すると果実の肥大や品質が向上する。

玉直し

果実がソフトボール大になったころ、果梗部(かこう: 茎から分かれた先に果実をつけている部分)を上にして変形を防ぐ。
病害虫対策も兼ねて、かごの上に皿を敷いてその上に置いた。うまくいった!!!

また、着果後1カ月ごろから、果皮の着色と果肉の熟度を均ーにするために、玉直しを行う。
接地面に突然直射日光をあてると日焼けのおそれがあるので、2~3回に分けて少しずつ回転させる。

病害虫

病害では、果実の肥大中に急にしおれて最後には枯れてしまう「つる割病」に注意。
つる割病が発生したら、治すことができないので抜き取って処分。
その後4~5年はスイカを栽培しない。
なお、つる割病はユウガオ台木などへの接ぎ木で回避できる。
そのほか、つる枯病、べと病が発生する。
害虫はアブラムシ、ハダニによる被害が大きいので早めに防除。

収穫

大玉系の収穫まで日数は開花後45~50日(今回の「甘いスイカ」は30〜40日)、小玉系は35~40日が目安。
収穫の日数は品種で異なるので、種袋などで確認すること。
収穫は着果日からの日数を一番に優先すること!

開花日ラベルがない時の収穫の目安

  • 果実を手のひらでたたくと鈍い音がする
  • 着果節の巻きひげが枯れてくる
  • 果実の肩がはり光沢が出てくる
  • 果梗部のうぶ毛がなくなり、黄色味を帯びてくる
  • 花落部分(果実の下の方(尻)の、花が付いていた部分)のへこみが深くなり、弾力が出てくる
  • 接地部の地肌の色が濃黄色になる

 

花合わせから35日、ひげも茶色いので収穫。 

収穫後の保存と日持ち

スイカ大好きなんですが、受粉の日にちが同じものや近いものが大きくなると、収穫時期が重なったり近かったりする。
(2023年のうちがそうだった!6/23受粉が2つ、26日が1つ、27日が1つ、7/12が1つ!
2023年の品種は種袋によると30~40日が収穫適期であり、23日受粉で37日目の7/30に、ひげが茶色になっていたので収穫した!

ちょっと熟れすぎ?でも甘い!!!!おいしい!!!
でも残りはどうする?このままだと熟れすぎちゃうよ~。
ということで、収穫したいが、どれくらい保存できるのだろう???

丸ごとの場合

収穫したままのスイカは、丈夫な外皮を持っているため、暑さにも強く最も日持ちする。
だいたい、2週間~1ヶ月くらい。
保存方法は、常温保存。
冷蔵庫など10度以下の場所では、徐々に甘みが減って、日持ちしなくなる。
常温といっても、できるだけ涼しい場所に置いておくのが良いらしい。
冷房の効いた部屋の暗い場所などに。

切った場合

切ったスイカは、中の果肉が空気に触れやすい分、傷みやすい。
断面にラップをピッチリと張り付けて空気に触れにくくし、冷蔵庫の冷蔵室ではなく野菜室に入れる。
これでも、数日~1週間を目処に食べる。

カップスイカ

スイカの皮を取り除き、果肉部分だけを食べやすいサイズにカットして、タッパーなどに入れておいた場合。
空気にも触れやすい上に、カットする時に手が触れるためとても傷みやすい。
1日~3日のうちに、食べ切る。
どうしても数日のうちに食べ切るのが難しい場合は冷凍する。
冷凍しておくことで、2週間~1ヶ月は食味の劣化も少ない。
ただし、冷凍したスイカをそのまま解凍すると、水分が出て食感が変わりるので、凍ったままシャーベットとして食べるか、凍った状態でスムージーなどする。
あるいは、解凍したスイカをミキサーにかけてジュースにして、ゼリーやババロアなどのお菓子にしてもよい。

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