キャベツの栽培方法、害虫・病気対策!実写真でわかりやすく!

キャベツの品種・種まき・土作り・植えつけ・土寄せ・肥料・収穫・害虫対策を実写真でわかりやすく解説!

基本情報

キャベツの原産地はヨーロッパの地中海周辺とされ、大きさや見た目の異なる品種がたくさんある。

キャベツには、βカロテンやビタミン C、ビタミン B1、ビタミン B2、ビタミンK、ビタミンU、葉酸、カルシウム、カリウム、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれて、胃腸を整える効果や便秘の改善や予防する働きがある。
キャベツ特有の成分、ビタミンUは胃粘膜を保護する効果があるが、熱に弱いので千切りなどの生で食べるとよい。

科目好pH連作障害発芽適温生育適温発芽日数発芽光性日照
アブラナ科6.0〜6.52〜320~30℃15~20℃5~7好光性陽性

コンパニオンプランツ

一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。

ソラマメ

ソラマメはよく根が付かないうちに寒風や霜にあたると苗が凍死してしまうが、ソラマメの種まきが遅れた時に春どりキャベツを一緒に育てると、キャベツがソラマメの寒風よけになり、根っこをしっかり張らせることができる。
ちなみに、ソラマメは、本葉1.5枚のときに根の先端を切って植えつけると根の張りが良くなる。
翌春、ソラマメの根っこに共生する根粒菌によって土が肥沃になり、キャベツの生育を促す。
ソラマメはアブラムシがつきやすいが、キャベツとソラマメを一緒に育てると、テントウムシなどの益虫もやってきてアブラムシを駆除してくれる。
なお、単にソラマメの風よけにしたい場合は、9月に植え付ける「冬どりキャベツ」の根っこを抜かずに外の葉っぱを5枚程度残し、その株元にソラマメを植え付ける。
すると、キャベツの葉っぱが風よけになる。
なおキャベツの根を抜かずにそのまま春まで育てると、キャベツのわき芽が成長して、こぶし大のキャベツが2~3個収穫できる場合がある。

サニーレタス(キク科の植物)

キャベツ栽培は、モンシロチョウの幼虫アオムシや、コナガの幼虫に悩まされる。
防虫ネットを張って害虫防除を試みても、モンシロチョウも非常に賢くネットの網目に卵を産み落とす。
畑に行くたびに、ネットをはがして害虫のチェックをするのに辟易する。
そこで、キク科の野菜は「アレロパシー」という、動植物を寄せ付けない成分を放出しているため、ほとんどの場合、害虫を寄せ付けなくする効果がある。
サニーレタスをキャベツのそばで育てますと、モンシロチョウやコナガは アレロパシー効果とレタス独特の香りを嫌い、寄りつかなくなる。
なお、リーフレタスは赤い葉と青い葉など種類が豊富にあるが、モンシロチョウやコナガは赤色を嫌う性質があるので、赤い葉のサニーレタスがより効果を発揮する。
また、キャベツは、モンシロチョウ、コナガの幼虫のほかに、アブラムシの被害にも悩まされるが、アブラナ科とキク科は 付くアブラムシがそれぞれ異なり、別種の害虫は、互いを避け合う性質があるため、異なる科のレタスとキャベツを一緒に栽培すると、野菜全体の害虫被害が減少する。
キャベツは共栄型の野菜で、近くの野菜を排除せず共存する特長があり、キャベツとレタスの混植は、どちらもよく育つ。
秋に植える場合のコツは、サニーレタスを先に植えて大きく育てておく。
地域によって変わるが、アオムシによる被害は9~10月頃が多いから。
その時期にサニーレタスをしっかり大きく生長させておくと、モンシロチョウなどは寄ってこなくなる。

相性が悪い野菜

ジャガイモやイチゴ
キャベツの近くに植えると、ジャガイモ・イチゴの生育が悪くなる。

ネギ類・ゴマ
キャベツの近くに植えると、結球しなくなる。

栽培時期

地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)

  2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
春まき 種まき~ ~種まき植えつけ~ ~植えつけ   収穫~ ~収穫          
夏まき           種まき 植えつけ~ ~植えつけ   収穫~ ~収穫 
秋まき     収穫~ ~収穫         種まき~ ~種まき・植えつけ  

品種

キャベツには色々な種類があり、季節に合わせて栽培されている。

寒玉(冬キャベツ)

主に夏に種を蒔き、冬に収穫する品種で、冬キャベツとも呼ばれ最も市場に出回っている。
形が扁平で色が薄く、固く結球する。
加熱しても煮崩れしにくいので、ロールキャベツなど煮物でも使える。
もちろんコールスローでも甘味がありおいしいが、歯ざわりが硬めで色が白いものになる。

春玉(春キャベツ)

秋に種をまき春に収穫する品種で、新キャベツとも呼ばれ巻きがゆるやかで葉が柔らかく、中のほうまで薄い色が付いている。
葉が柔らかく、色も濃いのでサラダなど生食に適している。
また、油で炒めたり、浅漬けなどにもよい。

高原キャベツ(夏キャベツ)

主に長野県や群馬県などの高原で栽培され、夏に収穫される品種。
主に寒玉の改良品種で、寒玉と春玉の中間的な特徴を持っている。

その他

芽キャベツ、ちりめんキャベツ、紫キャベツなど、形や色で特色があるものもある。

2023年はこのキャベツ

ダイソーで買った種「早生キャベツ(富士早生)」¥55-
カインズで買った「芽キャベツ」¥98-

 

栽培のポイント

  • 暑さには弱く、冷涼を好む。
  • 低温には耐えるが、結球し始めると耐寒性は多少弱くなる。
  • 秋まきでは、ある大きさ以上の株が一定期間低温にあうと花芽ができ、春になるとトウ立ちするので、早まきは避ける。
  • 過湿では根腐れが起きやすくなるので、保水、水はけのよい土で栽培する。

種まき(ブロッコリーも一緒)

6×6セルトレイに種まき培土を入れ、人差し指の第一関節(1㎝)で穴を開け、1ヶ所にタネを1粒まき、覆土は同じ培土でよいが、乾燥防止ならバーミキュライトかケイ酸カルシウムが入ったイネニカをかぶせ、覆土後はたっぷりと水やり。
本葉が2~3枚になったら1本に間引き。高温期では、風通しの良いところでの育苗し昇温対策。
春まきは保温・加温対策が必要で、夏まきは日差しを和らげる為に寒冷紗などで覆う必要がある。

トレイ育苗での軟弱徒長を防ぐ

  • トレイの土は乾きやすいので、夏場は毎日潅水が必要。特にトレイの縁は乾きやすいので注意。
  • 潅水は毎日、2~3回に分けて、できるだけ午前中に行い、日暮れのころにはトレイがやや乾く程度にしておく。
    ハウスなどの施設内で、ベンチの上に(トレイの下に空間を作る)おいて育苗するとよい。
  • 夏まき育苗期間の後半(播種後10日~2週間目以降)はできれば屋外で育苗し、風や夜露に当てて苗をしめる。

育苗期間は夏まきが35日(本葉は5~6枚)、秋・春まきは40~45日(本葉7~8枚)が目安。

畑の準備

定植の2週間以上前までに、苦土石灰2握り(約100g/1㎡)を全面に散布し深く耕す。
1週間前に完熟堆肥は約2kg/1㎡、元肥の化成肥料(N:P:K=8:8:8)は2握り(100g/1㎡)を施して再度耕す。
後、種まきまでに、畝幅を1条で50㎝、2条で80cm(条間40~50㎝)の畝を作る。

植え付け

活着の良否がその後の生育に大きな影響を及ほすので、定植は晴天の午前中に行う。
あらかじめ定植苗に十分潅水しておき、植え穴にもあらかじめたっぷりと潅水しておく。
定植は深植えを避ける。
定植後の潅水の際、液肥を利用すると活着がすすむ。

追肥・中耕・土寄せ

追肥は春・夏まきでは定植3週間後および結球が始まる前の2回行う。
秋まき春どりでは年内の追肥は避け、春に新葉が動き出したら1回目、結球が始まる頃に2回目の追肥をする。
追肥は1回につき、化成肥料1握り(約50g/1㎡)とし、同時に中耕と土寄せを行う。

病気

病気は比較的少ない方だが、黒腐病、萎黄病、菌核病、根こぶ病が発生する。

害虫

キャベツは害虫が多く、シンクイムシ、ヨトウムシ、コナガ、アオムシなどがつきやすいので、見つけ次第捕殺するか、殺虫剤を散布する。
シンクイムシは夏まきキャベツの初期生育中に1株に1匹つき、芯を食べ、キャベツが生育しなくなることがあるので要注意。
防虫ネットをトンネル状にかけると被害を抑えることができる。
防虫ネットをかける時は、土との間にすき間ができないようにする。

収穫

収穫期は結構そろってしまうので、結球したものから若採りしながら収穫する。
夏まきはわりと長い間畑におけるが、秋まき春採りでは採り遅れると球が割れるので注意。
収穫は球を手で横方向に押し倒すようにして、球と株元にある外葉との間の芯を包丁で切るとよい。
収穫後のキャベツの根は畑に置かずに片付ける。

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