ラッカセイの品種・土作り・植えつけ・芽かき・土寄せ・肥料・収穫・貯蔵・害虫・病気対策を実写真でわかりやすく解説!
基本情報
ラッカセイ(落花生)の名前は、受粉後、枯れた花のつけ根から子房柄(しぼうへい)が下向きに伸び、土の中に潜り、深さ3〜5cmに達すると、子房柄の先が膨らみ始め、そこにさや(鞘)ができ、そのさやの中で豆が育ことに由来する。
子実(粒)には、タンパク質、ミネラル類やビタミン類(B1、E)、オレイン酸を主とした良質の脂肪などが多い。
科目 | 好pH | 連作障害 | 発芽適温 | 生育適温 | 発芽日数 | 発芽光性 | 日照 |
マメ科 | 6.0~6.5 | 2~3年 | 20~30℃ | 15~25℃ | 4~7日 | なし | 陽性 |
コンパニオンプランツ
一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。
トマト、ピーマン、ナス
ラッカセイの根に共生する根粒菌によって窒素を吸収しやすくしてくれるだけでなく、VA菌根菌によって、リン酸・鉄分・ミネラルを吸収しやすいように分解してくれ、トマト、ピーマン、ナスの生育が良くなる。
また、落花生は草丈が低いので雑草の抑制効果が期待でき、トマト、ピーマン、ナスのマルチングとしての効果もあり乾燥や泥はねが減り、病害の感染から守ってくれる。
ナスは水分を多く必要とし、ラッカセイによるマルチング効果で土中の水分も保たれる。
シシトウ
シシトウは根の張りが弱く過湿にも多湿にも弱いので、ラッカセイが土壌の日陰作りと湿度を保つ役目をしてくれる。
トウモロコシ
お互いの生育がよくなる。
バジル・ナスタチウム
混植すると害虫(アブラムシ)を退避させる効果がある。
バジルは反日蔭で育てると香りが強くなり葉も柔らかくなるので、ラッカセイの陰になる位置に植え付けるとよい。
相性が悪い野菜
葉ネギ・青ネギ・タマネギなどは生育を阻害する。
地下茎で増えるハーブ類は、根の競合が起こる。
栽培時期
地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)
4月 | 6月 | 9月 | 10月 |
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種まき~ | ~種まき | 収穫~ | ~収穫 |
代表的な品種
千葉半立(ちばはんだち)
やや大粒で、収量性は高くないが、煎り豆にしたときの食味がよく、濃厚で独特な風味がある。
粒 | 株 | 栽培期間 | おすすめの食べ方 |
中粒 | 半立性 | かなり晩生 | 煎り落花生 |
ナカテユタカ
大粒で粒揃いがよく、煎り豆にしたときの食味はあっさりした甘みで、飽きない味わい。
粒 | 株 | 栽培期間 | おすすめの食べ方 |
やや大粒 | 立性 | 中生 | ゆで落花生 |
郷の香(さとのか)
収量性が高く、やや大粒で莢が白い。
茹でたときの味わいが深く、主に茹で落花生として販売されている。
粒 | 株 | 栽培期間 | おすすめの食べ方 |
中粒 | 立性 | 極早生 | ゆで落花生 |
おおまさり
実の重さが一般の品種の約2倍ととても大きく、ふっくらした形をしており、オレイン酸の含有量の高さが特長。
茹で落花生に適し、甘みが強くて柔らかく、栗のような風味がある。
粒 | 株 | 栽培期間 | おすすめの食べ方 |
大粒 | ほふく性 | 晩生 | ゆで落花生 |
Qなっつ(きゅーなっつ)
莢は白く、煎り豆に適しており、ひと口噛んだとたんに感じるほど甘みのあるのが特長。
粒 | 株 | 栽培期間 | おすすめの食べ方 |
やや大粒 | 立性 | 早生 | 煎り落花生 |
今回はこのラッカセイ
ケイヨーD2で買ったラッカセイの種¥315-
マルチの役目も期待して立性よりほふく性のものが欲しかった。
- 数量:20ml
- 生産地:千葉県
- 発芽率:75%以上
- 有効期限:2023年10月
- 品種名:おおまさりネオ
- 販売:アタリヤ農園
- 発芽適温:20℃
- 発芽目安:4~7日
- 収穫日数:約150~170日
- まく時期:4月下旬~6月上旬
収穫時期:9月下旬~10月下旬

種まき

3号ポットに種まき用土を入れ、1粒ずつ皮つきのまま2~3㎝の深さにまき、たっぷりと水やりをする。
4~7日で発芽する。
間引き・育苗
本葉2枚で2本立てにし、本葉3~4枚で1本立てにする。
畑の準備
種まきの2週間くらい前までに、苦土石灰4握り(約200g)/1㎡、堆肥は約2kg/1㎡・元肥(化成肥料 N:P:K=8:8:8)2握り(約100g)/1㎡をまいてよく耕し、幅70~90㎝、高さ10㎝ほどの畝を立てる。
地温上昇と雑草防止を兼ねてポリマルチ(黒がおすすめ)をするとよい。
マメ科の植物の根には、空気中の窒素を固定する根粒菌が共生していて、自ら栄養分を作り出ので元肥は控えめに。
植えつけ

本葉が2~3枚のころ、条間45㎝、株間30㎝で植えつける。
管理・土寄せ
ポリマルチをした場合は、開花始めに取り除きます。
花が咲き始めたら、1回目の土寄せを行う。
ラッカセイは受粉すると、花のつけ根にある子房柄が伸びて土の中に潜り、そこにさや(鞘)をつける。
このとき、花の位置から地面までが遠かったり、土そのものが固いと、子房柄はしっかり土に入ることができず、ラッカセイのさやがつかないので、株元にたっぷりと土よせしておきます。
子房柄がもぐり始めたら土よせする。
土寄せ(2回目)

1回目の土寄せから15日〜20日後、子房柄が土の中にたくさんもぐるようになったら、2回目の土寄せを行う。
開花は断続的に続き、子房柄が出る範囲も広がるので、やわらかな土をまんべんなく寄せ集めて、しっかり土の中へ伸びていくのを手助けする。
土中に潜り込んだ子房柄を切ってしまわないよう注意して行う。
株の上からかけるのがよい。
「立性品種」と「ほふく性品種」ではつるの広がり方が異なる。
「立性品種」は株元付近に、「ほふく性品種」はやや広めに土を寄せる。
畑が乾いたら適宜水やりをおこなう。
追肥
1回目の土寄せのタイミングで、株元に追肥を施す。
窒素が効きすぎると「つるぼけ」になってしまうため、肥料は窒素を少なめ・カリを多めに施す。
(元肥で石灰を十分に入れてない場合は、ここで石灰も施す)
害虫
早期発見、早期防除に努め、コガネムシは見つけ次第捕殺。
未熟な堆肥を使うとコガネムシが発生しやすくなる。
その幼虫は土の中にできたサヤを食害するので、完熟堆肥を使うこと。
病気
灰色かび病、黒渋病、褐斑病など。
収穫
秋になり、下葉が黄色く枯れ始めたら、子房柄の先をさぐって試し掘り。
さやの網目模様がはっきりして、、8割くらいのさやが充実していたら収穫。
千葉県のサイトによると、おおまさりの場合、開花期(1輪でも開花している株が、ほ場全体の40から50パーセントに達した月日)後85日が目安(平成27年産)
収穫が遅れると、さやのつけ根が傷んで、引き抜いた時にさやが土中に残ってしまうため、採り遅れのないように注意。
ゆで落花生はすぐ調理
茹で豆にする場合は、採りたての鮮度の良いものを茹でる。
収穫後すぐにさやをもぎ取って水洗いし、たっぷりのお湯に塩(水に対して3〜4%)と一緒に入れて柔らかくなるまで茹でる。(時間は40分が目安。)
乾燥・保存
収穫したままの生落花生は水分を含んでいるので、保存ができない。
長期保存するには乾燥させる。
収穫後、土を払い落とし、さやの付いた方を上に向けた状態で数日~1週間ほど天日干し。
鳥に食べられないように。
(収穫したらすぐにさやから切り離して、水洗いして天日干しでもいいらしい。)
乾燥が進むと豆の水分が抜けて実が小さくなる。
落花生を手に持って揺すり、カラカラと音がしたらさやを切り離す。
その後、殻付きのまま風通しの良いところに並べて、1ヶ月ほど乾燥させる。
これで半年〜1年ほどの長期保存が可能。
来年の種とするときは
来年の種用に残す場合は、乾燥させた後、殻ごと保存する。
殻から種を取り出すと発芽率が落ちる。
簡単な煎り落花生の作りかた
オーブンで作る場合
余熱なしで、150℃、70分。
電子レンジで作る場合
オーブンで煎るのが面倒な場合は、電子レンジで!
1.茶封筒に落花生を入れる
茶封筒に殻つきのまま落花生を入れる(重ならない程度の量)
2.電子レンジ500W 3分でチン
3.袋を振って、再度500Wで2〜3分チン
カリッと香ばしいピーナッツの出来上がり!