カボチャの品種・種まき・土作り・植え付け・芽かき・土寄せ・肥料・収穫・貯蔵・害虫・病気対策などを実写真でわかりやすく解説!
基本情報
カボチャは体内でビタミンAとなるカロテンが多く、また、ビタミンC、たん白質、食物繊維、ミネラル(特にカリウム)を豊富に含み、栄養価が高い緑黄色野菜。
「冬至にはカボチャを食べる」風習は、栄養価の高いかぼちゃを食べることで、「風邪を予防する」と考えられているから。
カボチャの種類には、西洋種、日本種、ペポ種の3種がある。
科目 | 好pH | 連作障害 | 発芽℃ | 生育℃ | 日照 | 発芽日数 | 好嫌光 |
ウリ科 | 6.0〜6.5 | 強い | 25~30 | 20 | 陽性 | 4~7 | 嫌光性 |
栽培時期
地域や品種により異なるので参考まで。(さいたま市想定)
月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | ||||||||||||
種まき、定植、収穫 | 種まき~ | 定植~ | ~種まき | ~定植 | 収穫~ | ~収穫 |
コンパニオンプランツ
一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツという。
長ネギ
長ネギの根に共生する細菌が出す抗生物質によって、カボチャの疫病や立枯病などの土壌病害の病原菌が減り発病を抑える。
土の中の過剰な肥料分を長ネギ適度に吸収し、カボチャがつるぼけせず、実付きがよくなる。
この他キュウリ、スイカ、メロン、ゴーヤ、ヘチマなどのウリ科作物も同様の効果を期待できる。
トウモロコシ
横に伸びるカボチャと縦に伸びるトウモロコシは、空間を有効に活用できる。
カボチャは多少の日陰でも育ち、トウモロコシの根元を覆って保湿や雑草の予防などマルチと同じ役割をする。
トウモロコシはアンモニア態窒素、カボチャは硝酸態窒素を好んで吸収するが、トウモロコシがアンモニア態窒素を利用するので、硝酸態窒素は適度に抑えられてカボチャがつるぼけしない。
品種は何がいい?
西洋カボチャ
黒皮栗南瓜(くろかわくりかぼちゃ)
表皮の色が緑から濃い緑で、薄い緑色のストライプが入るものが多い
- 九重栗(カネコ種苗株式会社が種を販売している品種)
- ほっこりえびす(タキイ種苗株式会社が種を販売している品種)
- みやこ(株式会社 サカタのタネが種を販売している品種)
- えびす(タキイ種苗株式会社が種を販売している品種)
坊ちゃんかぼちゃ
果重500g前後の手のひらサイズのカボチャ
鈴かぼちゃ
きうなすファームが出荷している成熟する前に収穫したカボチャ
ロロンかぼちゃ
タキイ種苗が開発したラグビーボール形のユニークな果形をした新品種
長南瓜
ヘチマのような長い形をしたやや大きな南瓜
- 宿儺(すくな)(古くから自家用野菜として栽培されてきた飛騨の伝統野菜)
- 甘龍(かんりゅう)(ナント種苗)
- ごっちゃん長南瓜/白いごっちゃん南瓜(松永種苗)
- 弥栄(いやさか)かぼちゃ(石川県の能登で作られている)
雪化粧南瓜(ゆきげしょうかぼちゃ)
株式会社サカタのタネが販売している白皮栗南瓜の品種
伯爵南瓜(はくしゃくかぼちゃ)
宮城県の渡辺採種場が「松島交配」ブランドで販売している白皮栗カボチャの品種
赤皮栗かぼちゃ(あかがわくりかぼちゃ)
皮が朱色をした金沢の伝統野菜「加賀野菜」の一つ
コリンキー
山形セルトップとサカタのタネによって2002年に品種登録された生食できるカボチャの品種
プッチィーニ
サカタのタネから種が販売されている品種
テーブルクイーン
海外品種の外皮が真っ白のミニ南瓜で、詰め物をする料理に使われる日本カボチャ
黒皮かぼちゃ
代表的な日本カボチャ。表面はでこぼこで縦に深い溝がある
・日向かぼちゃ(宮崎の特産物)
菊かぼちゃ
代表的な日本カボチャで規則的に深い縦溝が入り、輪切りにすると菊の花のような形
小菊南瓜(こぎくかぼちゃ)
小菊南瓜は直径15cm前後、重さ500~800g程の小ぶりの菊カボチャ
白皮砂糖(しろかわさとう)
昭和の時代に各地で作られていた日本カボチャの一種で、肌色が白い菊座南瓜
鹿ケ谷南瓜(ししがたにかぼちゃ)
鹿ケ谷南瓜は京の伝統野菜で知られ、「京のブランド産品」の一つ
鶴首かぼちゃ(ツルクビカボチャ)
細長く首の部分が鶴の首に似ていて、古くから日本で栽培されてきた品種
バターナッツカボチャ
南アメリカ大陸が原産とされ、アメリカではポピュラーなカボチャのひとつ
バターナッツ・ロゴサ・ビオリーナ
イタリア南部が原産と推察されているHeirloom(家宝品種)で、日本的に言えば伝統野菜
島かぼちゃ
沖縄で古くから作られてきた在来種のかぼちゃ
春日ぼうぶら
ポルトガル語「abobora=アボーボラ(ウリ科の野菜)」が訛ったもの
万次郎かぼちゃ
東洋系と西洋系の種間交雑種
韓国カボチャ
韓国ではかぼちゃを「ホバク」と呼び、未熟なうちに収穫したものも食べる
- カボッキー(松永種苗が種を販売しているF1品種)
- マッチャン(サカタのタネが販売している品種)
- リッチーナ(タキイ種苗)
ペポかぼちゃ
カボチャの中でもズッキーニなどと同じ部類のペポカボチャの一種
金糸瓜(きんしうり)/そうめん南瓜
ほぐれた糸状の果肉の様子から、そうめんかぼちゃ(素麺南瓜)やそうめんうり(素麺瓜)、いとうり(糸瓜)などとも呼ばれている
ズッキーニ
実が完全に熟すのを待たず若い間に収穫
今年は西洋カボチャの「えびす」にした
定番なので。島忠で¥316円。

種はこんな感じ。カボチャ切ったとき、見たことある。

種まき・育苗
深さ1cmくらいの穴を作り、2~3粒をまいて土をかぶせ、手で押さえつけないで水やり。
3月15日スイカと一緒に播種。2つの大きさのポットに2粒ずつまいた。

確実な発芽には25~30℃前後になるよう保温必要。
発芽日数は4~7日程度。
本葉が出たころ間引きし、1本立ちにする。

定植適期苗は本葉が4~5枚になるころ(種まき後30日前後)。
催芽まき
種を濡らしたキッチンペーパーを敷いた容器に入れて保温して根を出させる。
生きている種が分かり、発芽も早くなるようだ。
カボチャなどは種が硬いので尖がったほうをペンチで掴み、割ってから催芽まきするとよい。

畑の準備
定植の2週間以上前までに苦土石灰を散布して(2~3握り:100~150g)耕す。
1週間前に、直径30~40cm、深さ30cmほどの穴を掘り、底に堆肥(約1kg)を入れ、掘り上げた土に化成肥料(1握り:約50g)、過リン酸石灰(軽く1握り:約20g)をかきまぜて穴に埋め戻す。
その上に、周りの土(肥料の混ぜてない土)を集めて、縦×横各60㎝、高さ10cmほどの定植床を作る。
その際、疫病予防のためポリマルチを敷くとよいが、ポリマルチのデコボコは水たまりができやすいので、平らになるように注意する。
定植
株間は1mほど。定植は深植えにならないように注意。
コンパニオンプランツのネギと混植。


仕立・整枝
西洋種では親づる1本と子づる1本、日本種、ペポ種では親づる(本葉5~10枚で摘芯)と子づる2~4本の仕立てとする。
家庭菜園では本葉4~5枚で親づるを摘芯して、子づる2~3本仕立てがよい。
摘芯時に病気予防のため子葉も切除する。
ツル1本に1果が基本みたい。
摘心、摘葉、整枝作業は必ず晴天日に行い、夕方には傷口が乾くようにする。
3本仕立ての場合

着果前は他の子・孫づるはかき取り、後は込みすぎたつるを摘除する。
子づる2本仕立て
本葉4〜5枚で親づるを摘心した後、力強い子づる2本を見極めて他の子づるは摘除する。
1節目から出る子づるは伸びが悪いので取り除き、2~4節から出る子づるを伸ばす。
その2本から発生するつる(孫づる)や雌花は8節までは全て摘み取り、最もよい果実がとれる9〜15節に咲いた雌花に人工授粉させる。
人工授粉は開花後、時間がたたないほうが花粉の状態がよいので、早めに(午前9時までに)行う。
着果節の孫づるは早めに切除(果実に栄養を集中させるため)
実が地面に直接つくと傷む原因になるので、残す実の下にはもみ殻、敷きワラなどを敷いて実が直接地面につかないようにする。
1番目の果実が着果した後は孫づるの発生も弱まるので、それ以降発生する孫づるは摘除しないでOK。
ただし、あまり込みあうようなら伸びの強い孫づるの先端を摘芯すればよい。
パンプキッズの場合
2024年、25年はダイソーのパンプキッズ。カネコ種苗の説明によると・・・
果実の重さは500g前後で、驚くほどガンガン着果するミニカボチャです。
摘果の必要はありません。開花から45~50日前後で収穫できます。
整枝
本葉10枚くらいで芯を摘み取ります。
2~4節目から出る子づるのうち、勢いの良い子づる3~4本を伸ばします。
子づるの5~6節目に雌花がつきます。孫づるは随時除去してください。
昆虫の飛来が少ない梅雨時や市街地では、結実させるのに人工授粉が効果的です。
追肥
追肥は、果実が10cmくらいになった後に2回、それぞれ畦間に施します。
水やり
カボチャを栽培する際は、水やりを控えめにする。
畑栽培は、数日雨がふらず土の表面がサラサラになるまで乾いてしまったら水やりをする。
基本的には、自然降雨のみ。
追肥
着果した果がこぶし大になった頃に、化成肥料を(軽く1握り:約20~30g)株元から40cmのあたりに施す。
人工授粉
着果を確実にするため、雌花が咲いたら、早朝、雄花の花粉を雌しべにつける(人工授粉)とよい。
病虫害
うどんこ病は雨量が少なく、乾燥ぎみの天気が続く時に発生する。
初期のうちにしっかりと防除する。
疫病は水はけが悪い畑や、長雨が続いた時に発生が多くなるので、雨による泥のはね上がりを防ぐために、株元にポリマルチをしたり、つるの下にワラを敷いたり、果実にはマットを敷くとよい。
収穫
晴れた日の午前中に収穫する。
ヘタを数センチ残して切る(早く乾燥させて病原菌が入りにくくする)
カボチャは直射日光に長時間当たると日焼けしてしまう。(収穫するか日よけする?)

西洋種は開花後40~45日ほど経って、果梗のひび割れが十分コルク化したら収穫。
日本種は開花後25~30日経って品種特有の色になり、果面に白い粉がふきだしたようになってきたら収穫。
収穫適期になると皮のツヤが無くなり、表面の模様がハッキリしてザラザラになる。
また、完熟になるとヘタが縦割れ+横割れし、深い亀裂が入るのでここまでコルク化してから収穫するのがベスト。
ズッキーニは開花後4~7日、長さ20cm程度、太さ3~4cmで収穫。
貯蔵
西洋カボチャは収穫後、直射日光の当たらない涼しい風通しのよいところに置き1~2週間ほど乾燥させる(キュアリング)と、日もちがよくなり、また、おいしくなる。